2017年10月16日

母と京都、母と俵屋さん

先週の木曜日、母親と京都へ行って参りました。
季節も季節、京都で松茸が食べてみたいという母を連れて俵屋さんへ。

もちろん母にとっては初めての俵屋さん宿泊の旅です。
母とふたりで旅行に行くだなんて、成人してからは初めてのことなのではないかしら。

贅沢な今回の京都旅を提案したのは、やはり母への恩返しの気持ち。
主人とそれカリフォルニアだ、フランスだ、バンコクだと、好き勝手躊躇なく国外旅行を楽しんでいられるのも、思えば学生の頃、母が短期語学研修に放り出してくれたから。





そして何より大きな理由は、母がまめにくれるお小遣い。
大きな額ではないのです。
お年玉代わりにと2千円、旅行に行くと言えばポチ袋に入れたお小遣い。
そんな母からのお小遣いを無駄にも出来ず、かといって銀行に預けるのも気が引けて今日まで。
大事に引き出しに入れておいたお小遣いは、とうとう俵屋さんに宿泊出来る額に・・・という訳。

俵屋さんでの宿泊費や新幹線代だけでなく、母が形見分けに引き取った祖母の着物の仕立て直し代までも賄えてしまったのですから、正に “塵も積もれば” でございます。

そう、私が着ております長羽織は、祖母の古い着物を仕立て直したもの。
高価なものではありませんが、生前祖母が気に入ってよく着ていたものとか。
小柄な祖母でしたので、遺影では着物として着ているものを長羽織に仕立て直してもらいました。
袷の羽織には季節がら少々早くもありましたが、これもささやかな親孝行と羽織ってみました。





さて。
初めての俵屋さんに、最初は少々緊張気味だった母もお部屋に通される頃には大はしゃぎ。
相当楽しみにしていたのでしょう、大好きなわらび餅ですものね。

私の分まで食べたそうな様子でしたが、そこはぴしゃりと拒否しておきました。
お部屋はこじんまりとしたお二階の “常盤” を選びました。
小さなお風呂、夕方窓を開けて湯船に使っていると、階下から夕食の支度のよい香り。





お風呂に入ってすっきりしたところで、書斎でお茶を頂きながら母とお喋り。
ベアチェアの座り心地にも母ご満悦、楽しそうです。

天気予報は雨とのことでしたが、しばらくは持ち応えてくれそう。
近所のバーへ。
お酒の苦手な母ですが、巨峰のノンアルコールカクテルを手にご機嫌です。
私はホワイトレディを手に乾杯。

母の大冒険は続きます。





夕食の時間も近づいたことですし、俵屋さんに戻りましょうね。
帰り道、慣れない下駄でコケかけた母、。
しっかと掴まれた左腕が少々痛うございます。

俵屋さんの坪庭はお月見の設い。
小雨でしっとり光るウサギが目を引きます。
屋上で綺麗に見えていた月も、近頃は高いビルに遮られがちなのだそう。
さ、ご飯ですよ。










食前酒の酒器も秋のお月さま。
飛竜頭に子持ち鮎、柿の器には辛子酢和え。
秋はぬる燗が似合います。

京都では湯葉のことを東寺(とうじ)とも呼ぶのですって。
東寺蒸しの鼈甲餡。

クエのへぎ造り。
お刺身のクエなんて初めてです。
主人が羨ましがるのは間違いなし。

土瓶蒸しの登場。
母の願いが届いたかと思いきや、松茸ではなくぐじの土瓶蒸し。
あれだけ松茸が食べたいと言っておりました母をも満足させるその美味しさったら。

笹鰈の脇に添えられたさつま芋の器量の良いこと。
取肴に鯵の小袖寿司。

ホクホクの焼き栗に母も私もうっとり。
肉厚の鯵がなじんだ小袖寿司を前に、心の中で主人に詫びておきました。
ごめん、主人、美味しい。

射込み蕪に上品な鶏のそぼろ。
蓋を開けた瞬間お出汁の香りに悩殺されます。

お部屋係のさやさんの表現がとにかく可愛らしい。
しっかり者のさやさんがふと見せるこの可愛らしい表現につい和みます。

強肴はその響きが楽しい “あちゃら漬け”。
語源はポルトガル語からとの説もあるとか。

楽しい食事も終盤です。
寛いで食事を楽しむ母にホッと致しました。

母は元気です。
大好きなイチジクが出されると、またふりだしに戻ったかのようなはしゃぎぶり。

どれくらい母がはしゃいでおりましたかと申しますと、寝ながら笑う程に・・・です。
ちょっと怖かった。
いかに俵屋さんのお布団の寝心地が快適であったかを、ずっと帰りの新幹線で語っておりました。
帰宅した翌朝は腰が痛くて眠れなかったとも。










そんな快適な眠りの後、更なるお楽しみが朝食。
もちろん干物はぐじ。
お魚を食べるのが少々苦手な母から、恩着せがましく部位の交換を言い渡されました。
普段は湯豆腐を選ぶことはあまりないのですが、やはり良いものですね、湯豆腐。






翌日は朝からの小雨模様。
祖母の着物で拵えた長羽織の下は、母が作ってくれた紬。
地味な地味なコーディネートではありますが、普段着っぽくてお昼の京都に合うのではないかしら。

いつも通り行灯の前でさやさんに記念写真をお願いして、市場や大通り散策へと参ります。
ギャラリーで買い物をした後は、そのお隣のカフェへ。
ハーブディーに添えられた砂時計が可愛らしい。

主人がほうじ茶を淹れてくれる時に便利よね、これ。
フランスのお土産とお聞きしましたが、ちょっと探してみようかしら。
朝のキッチンタイマー争奪戦の防止にもなるしね。





主人へのお土産は点邑さんの天巻き寿司。
そして主人の大好きな鯖寿司。

八坂神社前のいづ重さんの鯖寿司を予定していたのですが、さやさんに教えて頂いた “いづう”さんに急きょ変更致しました。
祇園の本店まで行きたかったのですが、今回はダイマルの地下で済ませてまた次回のお楽しみに。
主人と一緒にお邪魔することに致しましょう。





自己満足の親孝行、母は満足してくれたのでしょうか。
錦市場であれこれ貪欲に買い物する母を見ている分には、相当な満足度だったと自負致しておりますが。
少々草臥れた親孝行でありました。

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posted by しんさん at 15:31 | Comment(2) | 京都 俵屋さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする