自宅からバスで駅に向かって名鉄電車に揺られ、国府宮で下車してそれからタクシーでお店まで。
面倒くさがりの主人ですもの。
その長い道のりをすっ飛ばす為にも、一時は私を運転手に任命したりの悪あがきを致してはおりましたが、レストランがオープンしてから頻繁ではないものの通い続けております。
先日の2019年のミシュランガイド愛知 岐阜 三重特別版でビブグルマンを受賞したとの知らせを聞きつけた主人、早速予約をしたようですよ。
アミューズのヴィシソワーズは予約時にねじ込んで頂いたそう。
主人の大好物ですものね、ヴィシソワーズ。
新岐阜駅まで向かうバスの中、主人はお料理の話ばかり。
ヴィシソワーズを熱く語り、オマール海老に思いを馳せ、フォアグラからレーニエ三世風につなげるワインを妄想します。
最初に運ばれてきたのは、甘いコーンが潜んだアミューズブーシュ。
初夏と言うには暑過ぎる陽気ですが、この時期のお料理は綺麗で大好き。
主人が選んだローヌワインが陽光に映えます。
奥さまとおふたり、仲の良い伊藤シェフのご家庭がちょっとだけ垣間見えるような可愛らしいお庭。
が、こちらの伊藤シェフ、やんごとないお方です。
おひとりでお料理はもちろん、パンやデセールまで手掛けていらっしゃるというのに余裕でフロアにお顔を出すことしばしば、いえ、頻繁。
お料理の前に主人とちょっとお喋り。
先日買い求めたという伊藤シェフ私物のレシピ本、パリはアピシウス時代の師匠、ヴィガト―シェフのサイン入りお料理本を手になぜか嬉しそうな主人。
綺麗なお料理は画像を見ているだけでも楽しいものね、分かります。
・・・私は嫌いだな、その褒め方。
お料理は食べてなんぼ、食べなくて分かるのであれば大枚はたく理由もなし。
四の五の言わずに食べてから思いっきり褒めて欲しいもの。
そんなこと思っている間にお料理スタート。
主人ヴィシソワーズに最初のうっとり。
フォアグラなのにどこか初夏を思わせる盛り付け。
フォアグラの下にはカリッフワッなフレンチトースト。
かすかに柑橘系の風味も漂う抜群なスタートでした。
伝統的なお料理が続きます。
オマールの香りにむせ返りそうなニューバーグ。
スズキのパイ包み。
ショロンソースはたっぷり、もちろんお代わり自由。
エストラゴン等の香草に白ワインや白ワインビネガー、卵黄と澄ましバター、そしてトマトですって。
ムースのようなショロンソース、完成度をぐっと下げればお家でも応用出来そう。
嬉しそうにお代わりする主人を見て、シェフにざっくり作り方をお伺いしました。
伝統的なコースはどこかくすぐったくて、何故だか笑えてきます。
楽しい。
主人お待ちかねのハト、レーニエ三世風です。
お家で飲むカリフォルニアのワインとは趣が全く異なるローヌワイン。
ハトってね、美味しいんですよ、伊藤シェフのハトは特に。
この後、当然のように主人のお皿はハトの骨だけがコロンっと残っておりました。
どこに行っても主人は上手に骨だけを残します、ナイフとフォークを横に置いて、ね。
美味しそうに食べる主人が誇らしくもあります。
デザートはもちろんクレームブリュレでしょう。
もちろん主人もお行儀良く平らげます。
大満足の主人、伊藤シェフと一緒に。
お若い伊藤シェフですもの、今後も貪欲に伝統を守り続けて下さるのでしょう。
楽しみです。
但し主人は絶好調、シェフのお料理に興奮してお話がつきません。
睡魔に時々襲われながらもギリギリ起きている状態の私も目に入らないようで、お二人のお話は放っておけば朝まで続きそう。
大満足のディナーでした。
さ、タクシーに乗って名鉄電車に揺られて、またタクシーに乗ってお家に帰りましょう。
朝・お昼とお味噌汁ファスティングで乗り切ります。
週末、お家で美味しいワインを楽しむ為に即行体重管理はしないと。
1ヶ月を予定致しておりました我が家のラマダン、禁酒生活は早くも崩れました。
代わりに、平日は極力お酒を控えることとなったようです。
極力、ですからこうしてレストランでのワインはアリ、大アリ、ストレスフリーが何より大切です。
お酒や食べ物で体を壊すなんて、これ程つまらないことはありませんからね。
体調管理、そして週末のお酒、時々シェフの伝統的なフランス料理、これですよ。
明日はちゃんとお弁当を作らないと。