お声をかけてくださったインポーターさん、ベンジャミンとはお別れして2日目の東京。
夜が明けてきましたよ。

ゆっくりと身支度を整えて出発します。
混雑する山手線は避けて、京浜東北線に乗って秋葉原まで。
主人が楽しみにしておりました鮟鱇鍋、いせ源さんでお昼ご飯です。
先ずは菊正宗の熱燗。

東出さんがいらしていた時と同じ席に通されましたよ。
ちょっと嬉しい。

ホタテに、鮟鱇の白身の南蛮漬け、菜の花の辛子和え。
あー、なんだか嬉しい選手入場。

鮟鱇の『とも和え』
鮟鱇の身を肝とお味噌で和えたお料理ですって。
まさにしみじみ熱燗の気持ちに沿ったお味です。

煮こごり。
勝手な東京のイメージ、ちょっと甘めのお醤油味。
鮟鱇の卵巣が琥珀に閉じ込められています。

きも刺し。
普段、私はあまり喜んで食べるものではないのですが、これは美味しい。
鮟きものイメージ、あれは何だったの?ってほど。
ただ"とろける"とは全く異なる存在感。

小声で盛り上がっている間に、鮟鱇鍋のご登場です。

お鍋が煮立つのを待ちます。
肝醤油でおめかししたお刺身をいただきながら。

お醤油味の鮟鱇鍋。
私たちが普段いただくのは西京味噌仕立てのお鍋、さて、主人の反応が楽しみです。

熱々のから揚げ、鶏のから揚げより断然こっちが好き。

1合だけ、って言っていたのにね。
菊正宗の徳利がふたつ並んでしまいました。

東京の人はいつもこんな美味しい鮟鱇鍋が食べられるのね。

お待ちかねのおじやの時間。
お店の方が『くれぐれもご飯に触れないで下さいね』
念押しされてしまうほど、私たち我を忘れていたのかしら。
鮟鱇の旨味を鍋肌にまとったお鍋がどこか誇らしげです。

粗めにほぐした卵、白身のふくらみについ誘惑されてしまいそう。
沸きあがる食欲をぐっと押さえて、お店の方の手の動きだけを凝視するふたり。

あぁ幸せ。

お客さまのいないテーブルのガス火は暖房替わりだそう。
暖房機の温風がお鍋の火を揺らして邪魔するのを防ぐためですって。

火の当たりが小さ目なガス台。
今の時代、この火口のものはないのだそう。

風の強い寒い日でした。
ですがお鍋のおかげでお腹はいっぱい、体もホカホカ。

おや?
正面の甘味屋さんは、どこかで見た佇まい、そして軒下の行燈。
あぁ、虎ちゃんたちがお団子を召し上がっていたところですね。

虎ちゃんやよねさんを気取って"竹むら"さんという手もありましたが、兎にも角にもお腹はいっぱい。
先ずはしっかり歩いて、目的のお買い物を済ませます。
そしてその後は、やっぱり甘いものを欲します。
神田明神のすぐお隣、甘酒のお店『天野屋』さんへ。
甘酒の美味しさも効果もしっかり堪能できる冷やし甘酒をお願いしました。

お外は賑わっておりましたが、お店の中はシンとしていました。
お庭のツバキが満開。

メジロが蜜を吸いに来ていましたよ。

外の喧噪を全く感じない静かな、それでいて温もりのある店内。

仲良さ気なご高齢ご夫婦がお店に入っていらっしゃいました。
新幹線の時間もあることだし、私たちはそろそろお暇しましょうか。

こうして、なんとなく恒例になりました『ベンジャミンに会いにいく早春一泊旅行』、2025年も無事終了しました。
ベンジャミンからいただいたボールペン、そしてサンタバーバラのチョコレート。

いせ源さんで鮟鱇鍋を楽しんだ後、どうしても行きたかった『箸勝』さん。
『割箸の専門店、どぅちゃん好きそうだよね』
そう主人が勧めてくれたお店です。
『専務』と呼ばれていた男性の、並々ならぬ雰囲気が印象的でした。
そして主人と、車の話で小声ながら盛り上がる姿は格別な品格を放っておいででした。

お土産でいただいた竹の箸。
いつ使い始めようかしらね。
