野菜の特徴を活かしたシンプルで美しいお料理。
お料理研究家の大原千鶴さんが紹介されるお料理は、ご本人に負けず劣らず魅力的なものばかり。
テレビで見た “白菜のおもゆ漬け” が気になり、その旬ぎりぎりで拵えたのは4月のこと ⇒
☆
おも湯に漬け込んだ優しい白菜の塩加減、絶妙な酸味で主人も大いに気に入ってくれました。
さて。
白菜の季節も終わり、また来シーズンに拵えることを約束しておりましたおもゆ漬け。
実家の母親から持たされたお裾分けの春キャベツ、これで拵えたらどんな感じになるのかしら・・・

私好みの仕上がりです。
一時、自家製のザワークラウトに勤しんだ時期もありました ⇒
☆数個鎮座するキャベツを前に、ザワークラウトも候補に挙がりは致しましたが今回はおもゆ漬けに。
またキャベツが里子にやってきたならば、その時はザワークラウトを仕込むと致しましょう。
拵えたお粥さんを冷ましたり、キャベツから水分が上がるのを待ったり、時間は当然かかります。
ですが、何かの片手間に出来る作業ばかりですもの。
ちょちょいと仕込んで、美味しいおもゆ漬けを召し上がれ。
作りやすい分量で、500g強のキャベツを漬け込みます。
何はともあれ、先ずはおも湯の準備を。
- ご飯は40gほど。小さなお茶碗に軽く一杯・・・より控えめかしら。
2.5カップ程度のお水と共に中火にかけ、ゆっくりと煮立てます。
煮立ったら吹きこぼれないよう火を弱め、蓋をずらして10分ほど煮てそのまま冷まします。
お粥が冷めたらザルにあけておも湯を取りましょう。
残ったお粥は使いませんので、私のお昼ご飯となります。
我が家は押し麦入りのご飯ですが、もちろん白米100%でも。 


- 出汁昆布 (5cm角) ・ 小口に切った鷹の爪 (1本分) ・ てんさい糖 大さじ1・ お塩 小さじ1/2をおも湯に加えて優しく混ぜ、保存容器に移します。
鷹の爪の種は加えるも除くもお好みで。
これでおも湯の準備は完了です。 
キャベツの準備を致しましょう。
- キャベツは前述の通り500g強。
かたい芯部分を除き、繊維を断ち切るようにざっくりと切ります。
芯部分は削ぎ切りに。
細切りにした人参 (1/3本程度かしら) と共にボールに合わせ入れ、お塩 20gを優しくもみ込みましょう。2キロ程度の重石をして1時間ほどおきます。 

- キャベツから水が上がってきたらザルにあけます。
このまましばらくおいて自然に水気を切りましょう。無理に絞る必要はありません。
おも湯の入った容器にキャベツを移して蓋をし、常温でひと晩おきましょう。
その後野菜室 (我が家は主人のワインセラーを使います) に移して1週間。


数日経ったところで様子をみると、思った程には水気が上がってきておりませんでした。
急きょ工程を変更し、白菜の時とは少し異なる方法で醗酵までこじつけましょう。
ラップをぴったりと密着させ、適度な重石をしてみました。
この状態で再度ワインセラーに置き、当初の予定通り 一週間後の本日まで。
・・・出来ました!
ほんのりと心地の良い酸味の効いた春キャベツのおもゆ漬け。
漬け汁まで飲めてしまう体にも優しいお漬物。
醗酵好きにはたまらない仕上がりです。




1週間かけてゆっくりと醗酵させた春キャベツのおもゆ漬け。
この類のものが思い通りに仕上がるというのは、本当に気分の良いものです。
お弁当を作るのにも、ついつい鼻唄が交じってしまいます。

本日のお弁当は、山芋の磯辺上げ 2種。
そして我が家の定番、月曜の “いわしのお酢煮” を使ったお片付け料理。
煮汁で炊くおからさん。
そして十六雑穀入りのご飯には、先日拵えた
ちりめん山椒 (☆) がたっぷりです。
あれだけワインが好きだった主人が最近凝っているのは、今更ながらの日本酒。
実は私がいちばん好きなアルコールは日本酒だとの事実を知りつつ、今まで避けて通ってきた道。
そんな訳ですので、近頃の我が家は和食材の登場頻度が急上昇中であります。
いつぞやの日本酒の肴に使った長芋、ほんの少量残っておりましたので磯辺揚げにしてみましょう。

冷めても美味しい山芋の磯辺上げは、お弁当にもピッタリです。
プレーンなタイプ、シイタケのお船に乗ったタイプ、2ver.の磯辺揚げを召し上がれ。
とっても簡単ですよ。
- 長芋は皮をむいてすりおろし、釜揚げしらすを混ぜておきます。
- シイタケは軸の部分をひねり取り、極少量の片栗粉を全体にまぶしておきましょう。
ビニール袋を使うと簡単ですよ。


- 揚げ油を170度程度に温める間に、海苔をシイタケの大きさに合わせて切っておきましょう。
揚げ網の上にシイタケを乗せ、傘の中にスプーンですくった長芋を落とし入れます。
直ぐに切っておいた海苔を乗せ、その都度順に温めた揚げ油の中へ。
のんびりしていると長芋が流れ出てきてしまいますからね、ここはスピード勝負ってことで。
両面をかりりと揚げ、網の上で油を切れば出来上がり。



- 長芋が少し余ってしまったので、シイタケなしのプレーンな磯辺揚げも。
長方形に切った海苔の上に長芋をぽとりと落とし、素早くくるりと巻いて揚げ油の中へ。
意外と海苔がはがれることもなく、綺麗に巻かれた状態でからりと揚がってくれますよ。
おまけで、主人に飛び切り好評な “イワシのお酢煮” のリメイク料理 竜田揚げも。
イワシのお酢煮の煮汁をしっかりと拭き取り、食べやすい大きさに切り分けて極少量の片栗粉をまぶします。
磯辺揚げと同じく、からりと揚げれば出来上がり。



月曜日以降の定番メニュー。
月曜日に拵えるイワシのお酢煮 (⇒ ☆) 、その煮汁を使って炊く具沢山のおから。
加える具は、その時々の在庫野菜や面取り野菜の切れっ端等々。
火を止めた後に加える新玉ねぎ、期間限定の山椒風味がお気に入りです。
- 今回は、面取りした人参・大根の切れっ端を刻んでたっぷりと。
合わせて胡麻油でさっと炒め、いわしの煮汁を加えます。
シイタケも加えますが、これは磯辺揚げの時に使ったシイタケの残った軸部分。
縦に裂いてから細かく刻んで加えます。
- おからも加え、水気がなくなるまでゆっくり炊きます。
水気がなくなったら火を止め、刻みネギ・刻んだ新玉ねぎ・ひねり胡麻を加えて出来上がり。




イカの存在感が強過ぎて、ちょっとお弁当には不向きですが朝食用に拵えましたイカのわた煮。
昨日の朝食・お弁当にした “イカ飯” の嬉しい副産物であります。

イカワタの旨味を存分に含んだ大根・人参・定番の里芋。
そうは言ってもこってりが好きな主人には、踊り出したくなってしまう一品なのではないかしら。
もちろん圧力鍋で簡単ちょちょいのちょい。
- 人参・大根はうんと厚めのいちょう切りにし、面取りをして圧力鍋へ移しましょう。
ここにお水・お酒・極少量のみりん・同じく極少量の白だし醤油を加えてひたひたにし、たっぷりと千切り生姜を散らします。
火にかけ煮立ったところで、冷凍保存してあります里芋・イカの足も加え、丁寧にアクを取りましょう。
再度煮立ったらイカワタの中身を扱いて加えます。
10分間加圧し、圧が自然に抜けるのを待ちましょう。



- 圧力鍋の蓋を開け、ここからは加圧せずにこってりと煮詰めて参りましょう。
キッチンペーパーで落し蓋をし、味を見ながら少しずつ数回に分けて白だし醤油を加え、煮汁をお玉で回しかけながらゆっくりゆっくり煮詰めます。
煮汁がかなり減ったところで、最後は香りの良い濃い口醤油で仕上げましょう。
極々少量の濃い口醤油を加え、しばし煮詰めて出来上がり。



器に盛り、塩茹でにしたサヤエンドウを飾ります。
七味唐辛子を添えて召し上がれ。

イカ飯の副産物がずらりと並ぶ朝食です。
そうそう・・・イカワタ・イカの足部分だけでは飽き足らず、イカスミまで使って大満足な朝。

イカスミはパスタでもリゾットでもなく、お味噌汁となりました。
案外イカスミと煮干し出汁の相性がよろしいと思うのは、我が家だけのことなのかしら。
イカスミ独特の甘味・旨味が加わって、我が家においては上々のお味噌汁にランク付けされました。
- 但し、イカスミのお味噌汁とは申せイカそのものは入っておりません。
イカの部位としては、文字通りイカスミだけです。
煮干しの出汁を煮立て、ざっくりと木綿豆腐を崩し入れます。
煮立ったらイカスミを扱き入れ、酒粕・白味噌・赤味噌をとき入れて器に盛ります。
刻みネギを散らして出来上がり。

あっちこっちと四方八方に貪欲に手を伸ばした朝食・お弁当メニューでありました。
イカ飯の副産物はまだまだ続きます。
只今、冷蔵庫の中では秘かに “イカの塩辛” が仕込んでありますから。
それを聞き、今夜もワインではなく日本酒を抜くと宣言して出勤していった主人。
彼の日本酒熱はいつまで続くのでしょうか。
私としては、単に和風食材に惹かれているだけの気も致しますが・・・
