大雪で立ち往生するトラックをニュースで目にした昨日火曜日。
雪こそ降りませんでしたが、岐阜市でも冷えは顕著で、我が家でも朝からリビングのアラジンにブルーの炎が灯りました。
寒さ対策にと、紬の洒落袋帯を銀座結びにして出かけた先は、岐阜県の最南端を抜けた三重県の最北端、桑名の多度。
そう、今の時期主人がいちばん楽しみにしております大和さんのぼたん鍋を頂きに参りました。
しっとりやわらかな鹿肉に迎えられます。
ご家族で育てるカラフルな冬野菜。
そして若女将の鹿肉談がまた楽しい。
いつもは季節の味を多種多様楽しむ大和さん。
冬の大和さんは速やかに事が運びます。
鹿肉に続き、主役のイノシシも登場。
主役は確かにイノシシですが、脇を固める野菜たちにも注目してほしい。
山盛りのゴボウに山盛りの白菜、ネギ、キノコの類。
お部屋が温まると同時にお味噌の甘い香りが立ちあがります。
さ、どうぞと若女将がお部屋を後にしましたよ。
主人、お行儀よく美味しそうに頬張っております。
卵をお手に、若女将再登場。
こってりと煮詰まった熱々のお味噌に軽く溶きほぐした卵、主人、我を忘れかけます。
ぐつぐつと音までの濃厚に煮詰まったお味噌に、最後のお楽しみ、上質な脂をまとったロース部分。
味変の卵に加えて一味も添えて。
主人、もはや私のことなどどうでも良いといった食べっぷりです。
最後はいつもの鰻茶漬け。
お部屋に満ちたお味噌の香り、寒々としたお庭を子猫の尻尾がちらり横切るのが見えました。
そして主人は、何日も前から宣言していたように、鰻茶漬けではなく白いご飯を選びました。
更に煮詰めたお味噌に卵を落とし、お味噌を回しかけながら白身にだけ火を通し、ご飯の上にお味噌と共にとろり。
・・・と、私が差し出した〆の卵ご飯を目を細めて頬張る主人。
美味しそうでなにより。
カボスゼリーを頂きながら、次回の予約日を決める主人。
今シーズンはもういちどぼたん鍋を頂くようですよ。
外食する回数は昔に比べてぐっと減りましたが、その分内容が比べ物にならないほど充実しております。
そして爽快な食後感、翌朝の空腹感にまた納得するのです。
寒さはまだまだ続くとの予報。
今宵はノンアルコールビールではなく熱燗ですね。