2024年10月03日

2024年 秋単衣のための京都俵屋旅館〜東雲(しののめ)の間・お暇乞い

2024年の京都俵屋旅館、帰宅の途に就きます。

毎年私のお誕生日、盛夏の京都を俵屋旅館で過ごすのが我が家の年中行事でもありましたがその志向も修正されつつあります。
行きたい時に行く京都、泊まりたいと思った時に泊まる京都俵屋旅館、それで良いのではない?と。

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おかげで私は秋の単衣に袖を通すことが叶い、鮎の笹焼きばかりだった俵屋旅館のお食事も季節を楽しめるようになり、主人にとっても私にとってもとても良い京都宿泊と相成りました。




それにしても昨晩の食事は秀逸だった、そう何度も何度も繰り返しては笑みを浮かべる主人。
ひと切れめの出汁巻き卵にお醤油をかけ忘れたと嘆く彼を眺め、なんとなく幸せを感じております。

もう少ししたら、我が家でも新米を楽しむのでしょう。

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昨日宿泊した東雲の真下、いつもの通り坪庭で記念写真をお願いしました。
ガラス越しにうっすらと映るなつさん、柱が写り込むと不本意そうに色々アングルを変えて挑んで下さいましたよ。

大丈夫、無理無理柱は消しちゃいます。

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『百年の孤独』ブエンディア一族家系図Tシャツ、家系図に誤植が見つかったとわざわざ訂正版を送り直してくださった新潮ショップ。
2024年、主人お気に入りのTシャツです。





こうして、急きょ決まった2024年残暑厳し過ぎる京都俵屋旅館の旅は幕を閉じました。
いつもならば、帰宅して洗濯機を回しつつ、京都で調達した華やかなお弁当を並べ、日本酒片手の反省会となるところです。

が、何しろ直前の予約、曜日を気にする余裕などなく、菱岩さんは定休日。
大手デパートにも店舗のある和久傳さんなら大丈夫だろうと思いきや、生憎の全店お弁当生産定休日。

色々と悩んだ末、いつもの和久傳さんに立ち寄り『すっぽんの煮凝り』を購入。
荒技を使ったおじやでの反省会と相成りました。
タイミングよろしくイオンさんが届けて下さった二子芋はきぬかつぎに。
いつもの豪華反省会ではないけれど、今回の京都旅はなかなか興味深い幕引きとなりました。


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2024年10月02日

2024年、秋単衣のための京都俵屋旅館〜東雲(しののめ)の間・夕餉

秋の単衣に袖を通したい、その為だけにお邪魔した2024年の京都俵屋旅館。

早めにお家を出たのは、高速に乗る前に村瀬シェフのお店に寄ってお喋りとランチを楽しむため ☆彡
穏やかなおふたりと懐かしいシェフの食事に満たされ、心地よく京都に向かいます。
そしていつものように3時を少し回った頃合いで俵屋旅館に到着。

予約をした『東雲(しののめ)の間』に落ち着きます。

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本館の木製の階段を上ったお二階、こじんまりとした東雲の間。
一段高い小上がりに設けられた掘りごたつ、おそらく冬にはここで暖をとりながらお庭を楽しめるのでしょう。
小雪がちらちらなんてしていたら、もう最高でしょうね。

床の間にはお月さま。

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俵屋さんにお邪魔する際は、私がいつもいちばん風呂。
お部屋に比べれば幾分か広めなお風呂、ひと息ついたらゆっくりと湯船に浸かるとしましょう。
そして主人が上がるのを待って一緒にビール。

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そんなことを想っていたら、わらび餅が運ばれてきましたよ。

あれ?お皿が変わりました?
それともいつもこんな感じでした?
椿の花にも見えます。

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いつもの朱色の座卓でお茶をいただきながら、どうしても小上がりスペースが気になる様子の主人。

夕食はあちらでいただこうよ、と。
もちろんです、とのご快諾にお風呂上がりのビールも進みます。
でもね、小瓶に追加の大瓶は少々過ぎますよ、主人。

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掘りごたつから眺める俵屋さんの瓦。
この真下には坪庭、今は重陽のお節句に伴う菊の被綿(きせわた)の誂えです。

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なつさんの軽やかなお声と共に夕食が始まりました。

いつも気になっておりました食前酒の平杯、黒川さんの手描きなのだそう。
毎回絵柄が異なるのですが、今回は陶淵明(とうえんめい)の菊。
・・・あれ?蓮だったかな?

まぁ良いや、菊酒で夕餉の始まりです。

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鱚の信楽揚げに立派な銀杏のあられ揚げ。
程よいお塩加減のススキ素麺。

小芋の脇に添えられた茄子に主人は感激しきり。
私の拵える揚げびたしと比べる方がどうかしています。

鯵の竜飛巻き、お酢の効かせかたがまろやかで本当に美味しい。
小吸物は鱧でした。

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鯛のへぎ造りに鰹の炙り、そして海老。
海老に感動することって、そうそうないと思うのです。

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椀にはスズムシ。

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穴子の茶巾豆腐。
イメージはお月さまだそうですよ。
お椀に張られた豆乳の滑らかさにうっとり。

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相変わらず達筆過ぎで解読不能な黒川さんのお品書き。
焼き物は『魴鰹』の白焼き、これで『マナガツオ』なのですって。

肝を添えた鮑等々、錚錚たるお顔ぶれのなかで特に輝いていたのが地味な『蓮根の土佐煮』

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いつもお家で食べている料理をプロが手掛けるとこうなる、のお見本のような蓮根でした。

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たっぷりの餡をまとった冬瓜。

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よい具合にお酒も進み、強肴となりました。
太刀魚の焼きびたし、針のような千切りの長芋と赤芋が添えられていました。

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嬉しいことに新米だそうですよ。

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最後はイチジクで。
お名残り惜しくはありますがお開きです。

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主人が何度も繰り返しておりました。
このクオリティはもう味わえないだろう、と。
そして今日のお料理は個人店では提供できないだろう、と。





私は秋単衣でご満悦、主人はお料理でご満悦な2024年、秋単衣には暑すぎる京都、俵屋旅館でありました。
ほどよいかたさのお布団で就寝です。




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2024年10月01日

2024年、秋単衣のための京都俵屋旅館〜東雲の間に到着・・・の前に

突如決まった京都俵屋旅館。

残暑と呼ぶには厳し過ぎた今年の暑さに屈し、ふと秋の単衣に袖を通していないことに焦りを感じました。
10月を目前にしてその焦りは募るばかり。
渋る主人を時には脅し、俵屋旅館さんに予約を促し京都に向かいました。
素晴らしいタイミングでの上洛、秋の抜けるような青空を想った秋単衣でご満悦な記念写真。

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昨年宿泊する予定でおりました『東雲(しののめ)』に宿泊です。
大好きな木の階段をギシギシっと上がったすぐ右手、アーネストスタディのお隣です。

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・・・ですが、その前にいつもの寄り道。

最初こそ嫌々な雰囲気に満ちておりました主人ですが、そうまでして秋単衣が着たいものなのかと半ば呆れて協力的になってくれました。
折角だから、京都に向かう前に素敵なお昼をいただこう、と。

ワイン仲間のおひとりから偶然知った、昔たいへんお世話になった村瀬シェフのお店再会の情報。
先日はいつものメンバーでお邪魔致しました(☆彡
いつもの高速入口とは逆に車を走らせ、村瀬シェフのお店『F・Q』へ。

肉肉しい村瀬シェフのパテ。
お願い、売って下さい。

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具沢山なきのこのキッシュ。
昔、まだ結婚したばかりの頃、住んでいた賃貸のほんの2ブロック離れた場所にあったのが村瀬シェフのお店でした。
よく通ったなぁ。
時には我が家にお招きして乳飲み仔羊なんて焼いてもらったりして。

サービスの大き過ぎるキッシュに笑いこけたこともあったものね。

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主人は鶏のコンフィ。

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私はトマトビネガー煮。
主人、1.5人分を綺麗にお召し上がりになりました、もちろん軟骨も何も残さず。

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主人のデザートはイチジクのタルト。

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私は迷うことなくピスタチオのアイスクリーム。

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さ、お腹はいっぱい。
このまま『美味しかったね』なんて言いながら我が家に帰ってしまいそうな安堵感。




いえいえ、いけませんよ。
トマトソースのハネもなし。

主人に直してもらった博多帯のお太鼓がコンパクト過ぎてお弁当箱みたいですが、良いや、のらりくらりとやり過ごそう。
高速に乗って京都に向かいますよ。
おふたりがにこやかにお見送りしてくださいました。

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2023年09月21日

2023年の京都俵屋旅館〜寿の間・お暇乞いと反省会

私の誕生日前後にお邪魔するのが恒例行事だった京都俵屋旅館ですが、以降はイベント重視で宿泊すると主人。

坪庭の菊の被綿(きせわた)の誂えが見たい、と私。
屋上のお月見の誂えが見てみたい、と主人。
昨年のお暇乞いの際、そのふたつを条件に今年の宿泊日を決めました。

2023年の俵屋さんは9月の17日、単衣に薄羽織ではあまりに過酷な京都ではありましたが例年と異なる雰囲気を存分に楽しんで帰途につきます。

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無理を言って予約をしたJTB扱いの寿の間。
夜中のうちに随分と雨が降ったようで、早朝のお庭がしっとり雨を含んでおりました。
お部屋係のなつさんがご出勤される未明の頃には、随分とまとまった雨が降っていたとか。

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少々の雨など気にしません。
観光はもとより致しませんし、車は言わずと知れたドアtoドア。
近所の遊形さんや蕎麦ぼうろのお店に行く時は、ご安心下さい、傘をお貸ししますからね、となつさん。

お待ちかねの朝食に集中します。

出汁巻き卵もしじみのお味噌汁も、いつも以上に美味しく感じられたのは、昨晩同様気のせいなのでしょうか。
ぐじも素晴らしい焼き加減。

『あれ?らっきょうの赤紫蘇巻きがない』
微かな落胆を表す主人でしたが、昨晩に引き続きご飯のおかわりも進みます。

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次回の予約は1月。
坪庭の誂えが楽しみです。

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高速に乗る前に、ちょっと寄り道。
昨年はご近所の紫野和久傳さんに予約をしたお弁当、今年は新しくなった菱岩さんにお願いしました。
この為だけに購入した高品質なクーラーバックを抱えて、予約時間ぴったりにお邪魔します。

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お家に到着したら、先ずはお風呂でひと息。
洗濯機をゴンゴン回しながら、反省会の始まりですよ。

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お弁当の奥にちらりと移るのが、行きの寄り道で購入した日永うちわ。
改めて眺めてもよい柄です。

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2023年の京都俵屋旅館、備忘録はこれでおしまい。
主人は今から、来年のお弁当をどこに頼もうかで頭を悩ませております。






posted by しんさん at 13:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 京都 俵屋さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月20日

2023年の京都俵屋旅館〜寿の間・夕餉

誕生日(ではないけれど)特典のいちばん風呂をいただき、主人がお風呂から上がるのを待って、よく冷えたキリンの大瓶を抜栓します。

お風呂に浸かっている時に聞こえた聞き馴染みあるお声。
昨年はお会い出来なかったお部屋係のなつさんが、お怪我から復帰されていつものようにキビキビお料理を運んできてくださいましたよ。
例年大文字焼きが描かれていた食前酒の器は秋の佇まい。

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菊の花弁を浮かべた菊酒、俵屋さんの秋のお料理開幕です。
鱧のすり流し、美味しかったぁ。

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もっちりとした鯛のへぎ造り、鰆の炙り、そして湯葉。

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桔梗に女郎花の素敵なお椀。

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中にはお豆腐のお月さま。
小さなお餅にはスッポン、え?月とスッポン?

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鱧の白焼きには、ポン酢と柚子が効いた赤味噌。
蓮根の梅のまとい方がお見事。

どうもついつい悪者扱いしてしまう赤味噌ですが、鱧に合わせるよりも日本酒のお供としてチビチビ舐めるこの美味しさ、楽しさ。

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湯葉寿司。

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白焼きに添えられていたもみじ。
同じお庭から摘まれたのでしょうに、こんなに指の数が違うのね。

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お料理も終盤。
熱々の冬瓜とたっぷりのきのこ。
エビが差し色になって綺麗。

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そろそろお酒もおしまいですね。
穴子の土佐酢掛け。

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焼き麩のお味噌汁がぽってりとして美味しい。
そして俵屋さんの糠漬け、今年は特に美味しい気がしてならないのです。

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赤ワインでコンポートにした葡萄。
我々には珍しく、少し焦ってデザートをお口に放り込んだには訳があるのです。

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この時期を選んだもうひとつの理由、新館屋上のお月見。
少々時間は過ぎてしまっておりましたが、仲居さん方のお心遣いでのんびりお月を愛でることが・・・

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俵屋さんのぎりぎりお隣まで建ったマンションがお月さんを見事に妨げておりました。




これも時間の経過と、お月見の雰囲気だけを楽しみます。
新館の階段手前のこの誂え、秋の俵屋さんを満喫致しました。

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寿の間の網代天井も夜の佇まい。
いつもより随分と遅い就寝です。

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posted by しんさん at 13:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 京都 俵屋さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする