居心地抜群のビバリーウィルシャー。
至れり尽くせりのバスルームの使い心地には特に大満足です。
スタッフはもちろん、ロビーやエレベーターですれ違う宿泊客も程良くフレンドリーですっかりお気に入り。
さて。
Yご夫妻とお別れして旅も後半、本日は主人にとってはある意味旅行の目玉企画。
『サンタバーバラへ行ってBenjamin Silver (ベンジャミン シルバー) に会おう!』 です。
早朝7時ホテルを出発し、UBERを読んでAMTRACK (アムトラック) のユニオンステーション駅へ向かいます。
日曜日ということで、道中イベント開催の為 車両通行止めに悩ませながらも何とか駅に到着。
いつもでしたらヒールで走らされてヒイヒイの私ですが、今回は主人とペアで揃えたスニーカーですもの。
颯爽とユニオンステーション構内を全力疾走し、ぎりぎりでアムトラックに飛び乗ります。
主人が予約しておいてくれたビジネスクラスシートは、2階の車窓からの眺めも抜群。
やがては視界に広がるであろう青い海を期待し、海側のシートに陣取ります。
青空広がるロス市内を走り、赤茶色の山肌がひろがる景色を抜け、広大な畑の脇を走り・・・


カメラを構える私がほんのり車窓に写り込んでおります。
絵葉書のような青い海を期待しておりました私たちの目に映るのは、ヴェンチュラを越えた辺りからの濃霧。
目前に広がるねずみ色の海、海なのか空なのかも曖昧な霧・霧・霧。


窓から眺める海に必要以上の期待があったのでしょう、主人はがっくり。
それでもサンタバーバラに到着した頃には、晴天とはとても言えないまでもまぁ普通の曇り空。
小さな可愛らしいサンタバーバラ駅、車掌さんに素敵な写真を撮ってもらいましたよ。

ペアで揃えたスニーカー、車掌さんしっかり収めて下さいました。
ベンジャミンとの待ち合わせは14時。
ちょっと早いお昼ご飯へと参りましょうか。
時間はたっぷりありますもの、いつも以上にたっぷり時間をとってね。

ここまで来たら海鮮料理よね。
港の桟橋は雰囲気のある木製で、ひっきりなしに通る車のタイヤ音や人の足音が耳にやわらか。
ガイドブックには常連の 『Santa Barbara Shellfish Company』 が本日お昼のレストラン。
主人はシャルドネ、私はピノを各々グラスでオーダーしますが、佇まいからは想像できない高品質、
さすがサンタバーバラ。
ホール係のポップな女の子に勧められ、Rock Crabを2種類の調理方法オーダーします。
前菜でついてくるクラムチャウダー、この大雑把な感じが開放的で楽しい。

どうしても食べたくてオーダーしたムール貝。
お皿が小さなカウンターからはみ出しております。

はい、ロッククラブ君も真っ赤に茹で上がってお出ましです。
カニの殻を捌くのは得意なのよ、沈黙なんて致しませんよ。

調子に乗ってパクついておりましたら、カニの殻の破片が右目を直撃。
・・・あぁ何てこと。
左目は結膜下出血で真っ赤っ赤、今度は右目がカニの殻ですか。
しかもこんな時に限って、処方してもらった殺菌目薬をホテルのお部屋に置き忘れてくるなんて。
48年生きてきて、カニの殻が目を直撃するなんて初めての体験ですわ。
もちろん大事に至らず今に至るってところですけどね。

そんな不幸に見舞われたレストランを後にする頃、気付けば抜けるような青空。
どんよりとした雲も霧もすっかり晴れ、ダウンタウンへ向かう頃には快晴真夏の陽気。
途中30分のフットマッサージを受け、ベンジャミンとの約束時間まで快適な時間つぶし。
『Little Rainbow Foot Spa』 はお手洗いも清潔で、技術も完璧。
カニの殻攻撃に遭った右目を消毒し、足元も目もリフレッシュ。
さぁ、いよいよベンジャミン シルバー ワイナリーへと向かいましょう。

駅から 『Benjamin Silver Winery』 までは私の足でも20分ほど。
分かりやすい街並みなので、難なく到着致します。

・・・致しました、が。

『Closed』
sorryと言われたって、これにはアチャーって感じ。
そうね、日曜の上に今日は息子さんの5歳の誕生日、そこを無理して約束したんですものね。
うーん、忘れちゃったのかな、ベンちゃん。
ってね、これらはほんのご愛敬。
5分もすると、ベンジャミンが後方から歩いていらっしゃいました。
さぁテイスティングの始まりです、主人が愛するBenjamin Silver のテイスティング、始まり始まり。

ここから先、ワイナリーの説明は主人のテキストで。
ワイン用語ばかりのベンジャミンとの会話、私には3割ほどしか理解出来ませんでしたから。
- まず、建物の外に置いてある樽に掛けてあるビニールを外し、中を見せてもらう。
ファメンテーション中のピノノワール。
2016年のピノノワールだった。
まだワインの香りにはなっていないけど、初めて見た。
その後建物の中へ招かれ、ある程度の説明を受けた後で、樽がいっぱいの倉庫へ進む。
倉庫の前にテイスティングルームの正面の画像ですよ。
中央のタペストリーは刺繍、友人からのプレゼントですって。
奥さまだとばかり思っておりました女性は、ベンジャミンが学生時代に描いたクロッキーを元にしたものだとか。
誰かは知らないモデルさんを大事なワインのエチケットにしちゃうなんて、ね。

はい、再び主人のテキストに参りましょう。
- 発酵中のシラーの樽がいくつかあった。
ベンジャミンのワインが最近は随分エレガントになった事や、ファーストリリースの2000年をまだ1本だけ持ってるんだけど、飲み頃はいつだと思う?とか、色々聞く。
数年前にベンジャミンの自宅の隣の土地0.5エーカーを葡萄畑にし、数種類の葡萄を植えてるんだそう。
まだ3,4年しか経っていないけれど、いつかそれでワインを作るんだとか。
小ロットしか出来ないだろうから、その時は僕にも分けてね、とお願いしておく。



- テイスティングルームへ戻り、どんなワインが好きか聞かれる。
「ピノノワール」と答えたところ、まだリリースしていない2014のピノを樽から出してくれた。
凄い美味い!!
その後、2015のピノもこれまた樽から出してもらう。
信じられないくらい美味い!!!
いつリリースするのかを尋ねたところ、ベンジャミン苦笑い。
まだ前に作ったのが売れ残ってるからねぇ・・・、数年先かな?とのこと。
特に2015は物凄く美味い。
今すぐリリースしたらかなり売れると思うんだけど・・・。
ワイナリー経営って本当に難しいんだと痛感する。
最後に、ベンジャミンの息子さんが生まれた年に息子さんの名前を付けたピノ(2009 Pinot Noir Cuvee Joshua)と、お嬢さんが生まれた年にお嬢さんの名前を付けたピノ(2011 Pinot Noir Cuvee Leah Mae)の2種類を出してもらう。
Cuvee Joshuaはもう少し寝かせた方が良いと言われたので、Cuvee Leah Maeの方を飲ませてもらう。
これがまた滅茶苦茶に美味い。
個人的な好みだけでいうと、キスラーやピーターマイケルより圧倒的に美味い!!
アルマン・ルソーのシャンベルタンみたいな味だったので、その事を伝えると、アルマン・ルソーって誰??との答え。
発音が悪いのかと思い、何度も言い直してみるも伝わらない。
ブルゴーニュを代表する偉大な生産者、アルマン・ルソー、スマホで検索して見せてみる。
フランスでも5本指には絶対に入る超偉大な生産者、アルマン・ルソー。
写真とスペルを見せたところ、「知らないから覚えとくね」とさらりと返答。
こんどはこっちが苦笑い。
ポール・ボキューズを知らないフランス料理のシェフみたい、と言ったところか。
さすが、超マイペースのベンジャミン!!
ブルゴーニュの事なんて何の興味もないのだろう。
とにかく自分が美味いと思うワインが造れればそれでオッケーというその態度に全面的に賛成します!!
そんな訳で、2011 Pinot Noir Cuvee Leah Maeを1ケース購入し、オレゴンの倉庫へ送ってもらう。
主人、長いよ。

はい、これが主人を感動の渦に引きずり込んだワインですよ。
もぉ良いかしら、帰りますよ。
最後にみんなで記念写真。

ベンジャミン、この格好で?と躊躇する必要もございませんわよ。
私、存じておりますの。
あなたが背負ってきた大きな大きなリュックに、合気道の道着がぐしゃっと入っていたこと。
はみ出しておりましたもの。
今度は日本で会いましょう、主人とベンジャミンが約束したところでワイナリーを後にします。

来た道を戻って駅まで。
帰りのアムトラックが相当遅れているとの情報を入手し、先程のマッサージ店に再入店。
ボディマッサージを受けて気分爽快。
結局予定時刻より50分近く遅れてアムトラックが出発するも、ロサンゼルスのユニオンステーション駅にはほぼ時間通りに到着。
行きののろのろ速度に比べると、帰りは超特急、なんだ、やれば出来るじゃん。

窓から眺める夕焼け。

ホテルまでのUBERは、赤いプリウスに乗った陽気なJillann (ジラン) さん。
妹さんが日本贔屓ということもあり、とにかく大歓迎してくれ気持ち良くホテルに到着します。
さ、ディナーの時間が迫っております。
早急に着替えてまたまたUBERに飛び乗ります。
今宵のディナーは 『 RUTH'S CHRIS STEAK HOUSE 〜ルースクリスステーキハウス』 ですよ。
賑やかな20人ほどの団体客のお隣のテーブルに通されます。
そのパワフルな盛り上がりに主人は少々圧倒されておりましたが、私は上機嫌。
うふ、聞き逃しませんでしたよ、ビューティフルですって。
USDAプライムビーフでニューヨークカットをオーダー。
もちろんシーザーサラダとマッシュドポテトも忘れずにね。
熱々のマッシュルームが美味しかった、お家でも作ってみよう。



とにかくお皿が熱いから手を触れないようにと何度も忠告されました。
焼き上がったお肉をカットして頂き、例の取り皿に乗せると・・・ジュッっと音と共に香りが。
陶器のお皿をこんなに熱くするなんて、お肉よりそちらに興味津々。

アメリカのステーキを数種頂いた結果主人が出した結論は、
- 『ドライエイジドビーフにミディアムレアはふさわしくない。
USDAプライムビーフは、やっぱりミディアムウエルの方が美味いと思う。』
今後、アメリカのステーキハウスではミディアムウェルということで。
結婚記念日のデザートで締めくくり。

意外とお店の終了が早めなのかしら。
珍しいことではないのだけど、今宵の来店客は私たちが最後。
臆することなくお店のお片付けを始めるフロア係の面々。
行きのアムトラックの走行に一瞬恐怖を感じたり、カニの殻が右目を直撃したり、アムトラックが1時間弱遅れたり、ベンジャミンのワイン用語についていけなかったり、小さな焦りを多々感じた1日でした。
ですがデザート良ければすべて良し。
今日も楽しさに満ち満ちた1日でありました。
明日はいよいよ旅も最終日。
予定はディナーだけ。
さ、何をして過ごしましょう。
