先週末の金曜日。
数日寒い日が続いたと思ったら、当日は岐阜市内でも朝から本気の雪模様。
いつもの週末ならば、あら今夜は雪見酒と喜んでいられるものを、今回ばかりは大慌て。
用意しておりました白地の紬と絞りの羽織を片付け、ぽってりした着心地の紬、古い着物をリメイクした長羽織に入れ替えます。
首元には襟巻。
随分と前から主人が楽しみにしておりました、今日は春日井の『季節料理 日比野』さんにてクエのコースを頂きます。
懸念しておりました雪も、家を出る頃にはうっすら青空、意気揚々とふたりテーブルにつきます。
クエのお出汁にほっとひと息。
クエの胃袋等の内臓系も、流石日比野さんの腕にかかれば臭みなど全く感じません。
そして何より美しい。
今回は30キロのクエとご縁があったとのこと。
食べ頃を迎えたクエのお刺身、30キロと8キロの食べ比べ。
ふっくらから揚げ、鱗はさっくりパリパリ。
味の添え方が本当にお見事。
傍らではクエのアラがお鍋に投入されました。
お部屋が一気に暖まります。
クエのしゃぶしゃぶ。
美しいお出汁。
もりもり頂きます。
お鍋のお出汁をこれだけ頂いたのは初めてなのではないかしら?
と言う程に美味しかったのです。
クエの煮つけ。
はっと目を引くお皿とのコントラストに気持ちを落ち着かせ、じっくり味わいます。
うん、やはり美味しい。
すっきりとした味付けに山椒の風味、果報者のクエです。
30キロのクエは中骨もごりっぱ。
髄液好きの主人にここは譲りましょう。
代わりにぽてっとした唇周辺は私が頂きます。
この立派な歯並び。
この裏の筋肉質な身が大好き。
美しいクエのお寿司でお鍋も閉幕。
そしてお待ちかねの雑炊。
今のふたりの気持ちを表すかのように、湯呑みの底にハートが沈んでおりました。
日比野さんはデザートまで繊細、丁寧。
甘さの添え方が本当にお見事なのです。
念願のクエにご満悦。
そして何より、食後感の良さに今回も驚くのです。
日比野さんのクエ、2023年の備忘録でした。