2023年になりました。
約1週間に渡った主人のお正月休みですが、その前半、要するに2022年も残りわずかとなりましたその数日間のおかげで、かつてないほど清々しい年の瀬を経て新年を迎えることが出来ました。
先ずは我が家の年明け恒例、ベランダからの初日の出。
そのわずか数分前、地球の自転を実感する瞬間です。
いつもは忙しい日の出の刻、お正月くらいは主人と寒さに震えながらでも地球の自転を実感したいもの。
昨年の夏、特に経済的にお世話になった伯母が急死致しました。
たいへんな資産家だった伯母は、内縁の夫に見送られたわけですが、伯母の遺産は極わずか。
その極わずかな遺産の手続きを、内縁の夫から直々に主人が任されたことから事が動き始めました。
今年のお屠蘇は赤酒で。
相続人の登記簿謄本にただただ翻弄される主人、そして相続人代表となった私の実母。
亡くなった伯母の母親、要するに私の祖母は大変過酷な人生を歩んできた人らしく、そんな彼女の歴史を戸籍が証明しておりました。
少々複雑な戸籍には慣れているであろう銀行担当者、そして役場の担当者、双方が間違えるほど、そして『こんな複雑な経歴は見たことがない』そう言わせるほどの祖母の歴史。
それに加え、戸籍が示す祖父のロックなお人柄。
大晦日、いつも使っている急須に赤酒と屠蘇散を合わせてひと晩。
主人と実母が銀行と役場を何度も往復し、相続人の何人かが誤記入した書類に振り回され、そうこうしているうちにふたり近所の喫茶店で2時間にわたるお喋りが楽しみにもなりかけた頃、年の瀬間際に相続の手続きが完了し、無事伯母のわずかな遺産は相続人全員に振り込まれたのでありました。
主人へのご褒美でもあるお節料理。
今年は私の実家でも、同じ日比野さんのお節料理を楽しんだのでありました。
複雑な祖母(この方が『しんさん』です)の人生。
当時まだ幼かった母は詳しい事情も知らず、主人が『時効警察』さながらの勢いで動き始めます。
それが何年かぶりに根尾の伯母を尋ねるきっかけとなりました。
93歳を迎えた根尾の伯母。
105歳で天寿を全うした育ての親の隔世遺伝なのか、小気味良い会話は以前と全く変わらず。
戸籍と実際の違いをサバサバ語っては、当時のひずみを紐解いていきます。
元旦のお雑煮は、この地方らしくシンプルそのもの。
亡き父に肖り、元旦のお雑煮だけはお餅を焼かずにとろりと煮て仕上げます。
そして鰹節はひと握り、たっぷりと。
亡くなった伯母は、兎にも角にも祖母を大切にしておりました。
祖母の遺言を守りお墓を作らず、祖父と祖母は根尾のお寺にて永代供養されております。
伯母の死によって知ることとなった祖母の人生。
根尾の伯母によってすべてが繋がった今、亡くなった伯母が大好きだったおふたりに手を合わせたいと、事前に根尾の伯母に話してありました。
根尾の伯母の人脈によるものでしょう。
当日、短いお経をあげて頂き、祖母の着物をほどいた長羽織を身にした私たちも手を合わせることが出来ました。
そして、主人とふたり、こうして手を合わせる本来の意義に少しだけ沿えた気もする年の瀬でありました。
元旦の朝食、最後は花びら餅で。
お正月もふつかになると、二段あったお節料理がすっきりコンパクトな一段仕様になります。
そしてお雑煮のお餅にはきりりと焼き色がつき、お節のスターだったエビが華を添えます。
以前は1日で飲んでしまっておりましたお屠蘇も、歳のせいでしょうね、三が日はたっぷり楽しめそう。
おかげで途絶えておりました根尾の伯母との交流も無理なく再開できました。
お皿からはみ出すほど立派な天然のアマゴは伯母作。
柚子が効いた紅白なます、昆布巻き、根尾の伯母の味が我が家の食卓に戻ってきました。
そしてお正月のふつか、主人の実家にて食事も楽しみました。
夏に甥っ子から教わったブラウニーに、蜂蜜漬けにしたドライオレンジを散らして持参。
3日ともなれば、一段となったお節料理は更に地味な佇まい。
お雑煮にも、自作のツルの子芋やらお片付け感が漂います。
案の定お屠蘇がアペリティフ。
4日目。
実家の母親が持たせてくれたぜんざい。
伯母の一連によって、断絶しておりました実家とも行き来が復活致しました。
1年ごとに変えるみりんの瓶。
寅から兎へと本日バトンタッチ。
そしていよいよ今日は主人の仕事始め。
日比野さんのお節料理は、『ふぐひれ』を残すのみとなりました。
ふぐ酒を飲む習慣があまりないので、我が家ではご飯に炊き込んでしまうこと多々。
特にどうこうという訳ではないのですが、香ばしい香りに和むのです。
昨日、お正月休み最後の日本酒の肴はカツオのたたき。
半分を漬けにするのが我が家の流れ。
そして今朝の主食はカツオの漬け丼です。
胡麻の代わりに韃靼そば茶をパラリと散らします。
そして2022年の名残でもある『真妻わさびの醤油漬け』を刻んでお結びに。
私のお弁当始めです。
少し酸味の立った真妻わさび、そして漬けにした鰹は胡麻と韃靼そば茶で利休焼きに。
年末から年始、約1週間に渡るざっくり備忘録。
根尾の伯母、そして実母との交流再開、尖っていたものが少し研磨せれた気が致します。
根尾の伯母が持たせてくれた白菜で週末はキムチを漬けましょうね。
今週末は七草粥。
イオンネットスーパーには既に注文済みです。
2023年01月05日
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