2022年04月06日

鯉料理『大黒屋』さんへ

桜の花も満開なこのタイミングに合わせたのか、主人が予約したのは珍しく初めてのお店です。
旅籠屋から現在の鯉料理専門店に至るまで、江戸中期から280年以上も鯉料理を専門にご提供されている『大黒屋』さんにお邪魔致しました。

鯉料理と言えば、季節の変わり目には必ずお邪魔する三重県は多度の『大和』さんですが、今回は向かう方向は全く同じ三重県の多度、多度大社の参道に大黒屋さんを主人が選んだのはいつもの気まぐれでしょうか。

道中の桜は満開、車中は暑いくらいの晴天ぽかぽか陽気。

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ほんの少し予約の時間に余裕があったので、駐車場に車を停めて近所をぶらぶら、と言うほどでもありませんが。
大黒屋さんの前を通り過ぎ、数件先にある『桔梗屋(ききょうや)』の前まで。
なんでもこちらのお菓子『多度豆』、間違いなく私が気に入るから買って帰ろうね、そう事前調査に抜かりない主人。

案の定、噂通りの不定休な桔梗屋さんは定休日。
途中、黒猫がのんびり日向ぼっこをしていましたよ。

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さ、ものの3分間のお散歩を終えて大黒屋さんの前に戻ります。

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お庭を囲うような建物。
年季の入った廊下に差す日の光がやわらかです。

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お部屋に通されてひと息つくと、ふと目に入ったお豆のお菓子。
そうか、これが主人が『絶対どぅちゃん(わたしのことです)が好きなやつ』そう言っておりました『多度豆』ですね。
あ、桔梗屋さんは『多度豆』ですが、他のお店、大黒屋さんでも手作りされているそうですが、こちらは『八壺豆』だそうです。

もちろん私の大好きな味。

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ひとが歩くとよく響く廊下、お待ちかねの鯉料理スタートです。
鯉料理ではないけれど、蕨のお味に先ずは大興奮。
美味しい、そして初めて食べたと思えるほどの蕨の風味、例のねばりある食感。

すり身のから揚げに、南天の葉っぱの上は鯉の卵、そしてレモンの上には鯉のほほ肉ですって。

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鱗はパリパリ、期待は膨らむ一方。

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鯉の南蛮漬けにのお隣、これが噂の鯉こくだそう。

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とろり西京味噌の風味、あの方でなくとも『たまらんがなも』と言いたくなる美味しさ。
溜まり溜まった煩悩が浄化された気分です。

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鯉を頂くにあたり、お刺身が苦手な私の悩みはこちら、鯉のあらい。
当然提供されます。
主人も心配そうに『僕、食べてあげるからね』、いえ、ちょっと嬉しそう。

酢味噌でなくお醤油で頂く鯉のあらいを恐る恐る口に運びます。

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鯉こくと一緒に運ばれてきました鯉の白子。
ようやくここで追いつきました。

味がね、濃くないのです、鯉の卵も南蛮漬けも、そしてちょっと反れますが蕨も。
そしてもちろんこの鯉の白子も。
だけど美味しい、鯉の存在感を消す必要がない、そういうことでしょうか。

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鯉の塩焼きはふっくら。
少々コツを要する鯉の食べ方、Y字型の小骨も多少はありますがそれがお魚。

あら、主人のほうは全くだったそうですよ。
それも老舗のカンでしょうか、あらでも何でも魚を食べた後のお皿は骨しか残しません、私。

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これが主人がどうしても食べたかったお料理、鯉のあばら部分。
淡い照り焼き風、でもピリッと唐辛子を効かせた、そうね、正に主人好みの味付けです。

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鯉料理も終盤、にわかに盛り上がった大皿がこちら。
鯉のから揚げに餡かけがたっぷり。

最初にね、確かに言われましたよ、『このコース、相当量が多いですが大丈夫ですか?』と。
これは想定外でした。

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驚きは致しましたが美味しい。
餡かけにすっかり覆われたパリパリの鯉、大ぶりな野菜たち、鯉に負けない大食漢。

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最後の鯉料理はホッとおちつく煮つけ。
卵をたっぷり抱いた鯉を大胆な筒切りにして、ちょっと甘めの味付けで。
鱗も美味しい、卵も美味しい、そして身は言うまでもなく美味しい。

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『お食事は大丈夫ですか』
心配そうにそうお尋ね頂きましたが、この煮つけを前にご飯は素通り出来ません。
ほんの少し蕨も残しておきました。

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ふたを開けると何だか懐かしい甘めの沢庵。
はい、主人が笑うくらい、私、鯉の煮つけの煮汁まで一滴も残さず頂きました。
残った骨の姿も残しておきたいところですが、それは流石に止めておきましょう。

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みがかれた机に映る風景や障子の影、お料理の美しさを引き立てておりました。

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お庭には澄んだ伏流水のお池。

そうそう、お刺身が食べられない私がひと切れも残さず食べられた大黒屋さんの鯉のあらい。
伏流水で1ヵ月以上も泳がせて臭みを抜くのだそうです。
お刺身嫌いの私が食べられる鯉のあらい、大黒屋さんのあらい、秘密は地元の伏流水なのですね。

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桔梗屋さんはお休みでしたが、お隣にある大黒屋さんの八壺豆はひとつだけありますよ、そうわざわざご主人が走って確認してくださり無事私の手に。

お手数ついでに大黒屋さんの入り口で、記念写真を撮って頂きました。
お料理もお上手ならばお写真もお上手な大黒屋さん。

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翌朝、我が家の朝食に八壺豆が登場したのは言うまでもないこと。
ヨーグルト用の木匙に1日ひとつ、しばらくはこのやわらかな食感の穏やかな甘さ、そして主人のほうじ茶に頬を緩めそう。

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そして画像は、数日前、近所の吉野神社に歩いてお散歩に行った時のもの。
休日の昼間から飲んだロゼを冷ましつつのお散歩。
お家の近くで買った三食団子が美味しかった。

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私だけ増えた体重を気にしつつ、明日はきちんとお弁当を拵えましょう。
気付けは今週はあと2回ですね、お弁当。


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posted by しんさん at 14:53 | Comment(0) | 旅行とお出かけの日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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