外食の回数はぐっと減少致しましたが、ですがその分抜け目なくちゃっかり代償も手に入れるのが得意な我が家。
ごくたまの外食は、到底自宅では味わえないお料理だけを厳選し、家庭料理と外食、双方を存分に楽しんでしまうという合理的な手法を身につけ今に至っております。
冬至を翌日に控えた12月も半ば。
冬枯れの堤防をひた走り、昨日昼下がりに向かった先は三重県の桑名。
ちょっと遅いお昼ご飯、またはうんと早めの夕ご飯、年にいちどのお楽しみ、いのしし鍋を頂きに参りました。
先ずはシカ。
そして彩り野菜とは言わせない迫力の冬野菜たち。
年にいちど、そうふたりで決めたのは特別感も同時に味わいたいから。
私たちふたりのことだもの、気に入ったからと頻繁に通えば飽きてしまうに決まっています。
年にいちど、春夏秋冬それぞれの味を楽しむ場所、それが大和さん。
・・・はまぐりだけは初夏と晩秋、年に2回になることもありますけどね。
さて、ノンアルコールビール片手に盛り上がっておりましたら早々といのししのご登場。
若女将の手元をふたり、じっと見つめているのは決してお肉の枚数を数えているわけではありません。
少なくとも私は。
年にいちどのお肉三昧、この日を主人は飛び切り楽しみにしておりますからね。
・・・多分数えていたな。
最初のイノシシを取り分けた頃合いで、卵と一味をお持ち下さるこのお心遣い。
大和さんのいのしし鍋、このお鍋が私をイノシシ好きにさせました。
いえ、他のお店では今後も頂くことはないでしょうから、イノシシ肉が好きという訳でもなさそうです。
大和さんのいのしし鍋が好きなのですね。
4つあった卵もあっという間に殻のみ。
主人、帰りの車中で告白しました。
『今年はさ、僕、強気で攻めたんだ。
最初からお肉ばっかり選って食べたもんね』
最初からお肉ばっかり選って食べたもんね』
・・・やっぱり数えていたんだね、お肉の枚数。
強気で攻める主人。
確かに強気です。
『うどんにします?お茶漬けにします?』
若女将の問いに主人の心情を想うと吹き出しそう。
主人の気持ちを代弁するならば、
『ご飯をお願いします』
・・・ですね。
選んだシメはやはりお茶漬け。
主人曰く、今まで大和さんで頂いたお茶漬けの中で今回が特に美味しかった、と。
密な外食の最後はあっさりかぼすのゼリー。
いつも同じ、そして変わってほしくない年にいちどのいのしし鍋の宴が終了致しました。
大和さんの大きな窓の外はそろそろ暗くなる頃です。
夜の運転は出来るだけ避けたい年齢ですもの、早々にお暇致しましょう。
次回は春。
今年は晩春でなく早春の山菜を頂くべく予約をして帰途に就きます。
お見送りをして下さった若女将の足元。
ハスキーボイスの小柄な猫が、夕ご飯をねだって巻き付いておりました。