2020年、今年のお誕生お誕生も変わることなく京都へ。
主人からのお誕生日プレゼントは京都俵屋旅館一泊旅行、帰宅時に来年の予約をするいつもの旅。
ですが当然いつもとは少々異なる心構えでの上洛です。
表は麻の襦袢生地、裏地はオーガニックコットン、着け心地の良いマスクは京都の仙福屋宗介さんのもの。
ぴったりと顔に沿ってくれるばかりでなく、息もしやすい優れもの。
そう言えば、いつも眼鏡でマスクが曇るとボヤく主人の愚痴も聞かれませんでした。
ハードなお仕事、でもマスクはこの状況では手放せないであろうお部屋係さん、そして若女将(俵屋さんでは内儀(ないぎ)さんと言うのですって)にもお土産に。
岐阜からの上洛で、京都の織物屋さんのマスクを京都の方にお土産、と言うのも可笑しなお話ですけどね。
もともと観光はあまりしませんが、今年は特にお買い物も寄り道も控えようと岐阜を出ます。
が、それでも一か所だけ、いつものかき氷は譲れません。
ひんやりとした土間、クーラーも効いていない自然の風が揺らぐ中で頂く『松花堂』さんのかき氷。
散々悩んだ結果、主人は黒蜜、私はお抹茶。
汗もひきました。
土曜日の高速ではありますが、さほどの渋滞もないだろうと途中までは下道を通ってのんびりと京都へ。
こじんまりとしたお部屋が良い、そんな私たちに昨年勧めて頂いたお部屋は松籟の間。
予約から1年が経った今日、お待ちかねの松籟の間に通されます。
奥に見える小さな竹藪の奥は、きっと暁翠庵(ぎょうすいあん)ね。
お昼寝スペースからの眺め。
このお昼寝セット、主人は買いたそうでしたが却下。
洗い物がこれ以上増えるのは大変ですからね。
小さな土間には思いのほか足になじむわらじ。
お昼寝セットより私はこのわらじが欲しかった。
主人曰く、今年のわらび餅はいつも以上に出来が良い、と。
うーん、主人がそう言うとそう思えてくるから不思議です。
ふと顔を上げると、主人のわらび餅はすでになくなっておりました。
お誕生日プレゼントのワインをお風呂上りに合わせて冷やしておいていただきます。
盛夏の俵屋さんは、主人から私への誕生日プレゼント。
なので必ず私がいちばん風呂です。
5時半にお願いした夕食ですが、私がのんびりし過ぎていたのでしょうね。
主人が1時間遅らせておいてくれました。
だってこのお風呂ですもの。
以前ひとりで宿泊したときは、大げさでなく数時間をバスタイムに費やしました。
さて、お風呂からのこの眺め。
セミがいるのが見つけられますか?
お風呂上り、主人が上がるのを待ってビールを半分こ。
お庭の窓を開けて、冷やしていただいたお誕生日プレゼントのワインを頂きましょう。
毎年食事の前、カラカラと下駄で歩いてお邪魔しておりました近所のバーは今年から止めにしました。
申し訳ないとは思いつつ、いちばん大切にしたいのは俵屋さんとのご縁。
いつもバーでお支払いする分をお部屋係さんの心付けに、ほんの僅かではありますが感謝の気持ち。
そんな大好きななつさんがお食事の支度を整えてくださいました。
辛口の主人が珍しく大興奮しております。
アナゴのお刺身、初めて頂きました。
お刺身はあまり食べない私ですが、主人の態度を見ると相当美味しいのでしょう。
はい、実際にとても美味しいお刺身でした。
鱧の山吹煮、お料理の名前も美しい。
お待ちかね、夏の俵屋さんの風物詩、鮎の笹焼きご登場です。
ほろっと山椒が効いた鰻豆腐。
射込みキュウリに添えられた諸味噌、行きに購入した大徳寺納豆を想わせる風味です。
そう、大徳寺納豆。
お気に入りの和菓子屋さんのすぐご近所にある大徳寺納豆屋さんに立ち寄りました。
そしてすっかり気に入ってしまいました、大徳寺納豆。
そのお話はまた後日、機会があれば。
加茂茄子。
何を頂いても美味しい。
主人の興奮ぶりを画像に留めておきたいほど。
宴も終盤、強肴の鱧。
そして主人、壊れる。
どれだけ食べてもお腹が満足しない、これから1から出されても完食できる、と。
おひつのご飯をほとんど食べてもまだ物足りなさ気。
どうした?主人?
壊れた主人は放っておいてデザートに進みましょうね。
時間差でお腹も満たされたのでしょう、主人も満足気です。
いつもよりちょっと遅い9時半、パリッとアイロンがかかった麻ケット。
我が家と同じ製品のハズなのに、なぜにこうも違うのかしら。
2020年の俵屋さん。
行かないという選択はないこともありませんでしたが、それでもお代だけはお支払いするつもりでおりました。
ですが行って良かった。
外国人観光客を始め日本人観光客もまばら、これだけ閑散とした京都は初めて見ました。
昔の京都に戻ったみたいですよ、そんな地元の方の言葉を幾度となく耳にしました。
明日の朝、またゆったりと湯船に浸かってから朝食を頂きましょう。
2020年08月11日
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