アメリカに帰る義妹の提案で、日本滞在の最終日は太平洋につながる伊勢湾を一望出来る小さな旅館 “海のしょうげつ” で過ごします。
文字通り梅雨の晴れ間、ロビーから見渡す伊勢湾。
小さな頃、兄や妹、従弟らと小さな民宿で夏休みを過ごした内海海水浴場の近く。

もちろん知多半島に直行した訳ではなく、ハンドルを握る主人が先ず最初に目指したのは岐阜の老舗和菓子屋さん “松花堂” さん。
夏のお出掛けはここに寄って、かき氷を食べてからでないと主人は納得しないのです。

和三盆と黒蜜のかき氷。
義母と義妹はお抹茶のかき氷。
涼をとったところで、さぁ出発です。

とは言っても岐阜から知多半島ですからね。
先々月に行った熱海に比べれば近いものです。
迷うことなく今宵のお宿、客室は10室という “知多半島 海のしょうげつ” さんに到着です。
靴を脱いでロビーに通されれば冒頭の伊勢湾、そして緑を含んだ初夏の海風。
薪ストーブを中心にした明るいロビーでお茶とお菓子を頂きます。

薪ストーブのあるロビーを中心に、義母チームとは別棟のお部屋に通されます。
聞けば今回主人が予約したお部屋は、2室ともそれぞれ4人で宿泊しても充分過ぎる間取りを誇るメゾネットタイプ。
そんなメゾネットタイプのお部屋を4人で2部屋おさえた贅沢な知多半島の一泊旅行です。
それぞれのお部屋を吟味した後、好みの部屋を選んで2チームに分かれます。
よりゴージャスなお部屋は女性ふたりのチームにお譲りし、私たちは海の間へと移動。
お庭の四阿から見たお部屋です。

梅雨時とは思えないお部屋からの景色。

確かにね、お座敷の押し入れにはお布団の用意もありました。
今宵は使われることはないお布団らのね。

ベッドルームはお二階。

ベッドルームの小さな窓から見える伊勢湾。
やや薄暗くしたひんやりしたお部屋から見える伊勢湾が格別に綺麗でした。

もちろん露天風呂もありますよ。
海を臨む露天風呂に早速。

青い澄んだボトルの小さなリキュールは旅館からのサービス。
よく冷えたリキュールとお猪口を片手に湯船に浸かります。

4人で同じ部屋ではなかなか出来ないものね。

露天風呂でさっぱりした後は、夕食の時間まで館内を探検。
建物の隙間から見える青い海、近場の内海を堪能しております。

お庭の四阿の内装。
このお宿、お部屋の中にも館内にも至る所に見られる野鳥のあしらい。
露天風呂に入っていても時々澄んだ鶯の声が聞こえていました。
このベンチの可愛らしいことといったら。

木製の小鳥さん、どうやら主人の目には本物に写ったようですよ。
・・・加齢ね、間違いなく。

温かみのあるトナカイさんも。

日が傾き始めましたよ。
そろそろお待ちかねの夕食です。

お部屋はレストラン、ですが個室になっています。
女性陣おふたりを待つ間にお風呂上りのビール、こりゃたまらん、ね。

料理長は京都で修業されたそう。
献立にあった “瓢亭たまご” の謎がそれで解明されました。
7月ですので天の川をイメージした前菜。
来年は素麺瓜を育てようかしら。
場所は違えど頭の中は野菜で一杯なようですね。

日本酒フライトを楽しみながらの海の幸。



お肉も少々。

お腹いっぱいといいながら、鯛めしの香りに魅了されます。
食べちゃうよね、この香り、この味。
主人、禁断のお代わりをしてご満悦。

義母から譲り受けた着物の中にあった浴衣。
うーん、義母のセンスじゃないぞ・・・もしかして?
睨んだ通りの野性の勘、この浴衣は義妹が高校時代に買った浴衣だとか。
自宅から持っていって良かった。
高校時代の思い出の浴衣に久しぶりに袖を通した義妹、飛び切りの美しさでした。

お夜食にどうぞ、そう言って握って頂いた鯛めしのおにぎりさん。
可愛らしいお弁当箱に詰めて頂いた鯛めしをつまみながら、もうちょっと主人とお喋り。

翌日は生憎の、というより案の定の雨空。
露天風呂にも雨の波紋。
海は曇っていますが、雨を含んだ緑は奥行きがあって綺麗です。

お部屋の露天風呂は昨日十分楽しみましたからね。
今日は大浴場へと向かいましょう。
朝の6時から利用出来るということで、6時きっかりのいちばん風呂を頂きに参りました。

客室が10部屋、しかも全室露天風呂付ということで大浴場を利用する方は少ないのだとか。
貸し切り状態の大浴場、7時15分からの “おしん” がなかればもっと長湯を楽しんでいたことでしょう。

朝風呂の後は昨日夕食を頂いた同じ個室で朝食です。

干物も食べ比べ出来る小さなサイズ。


熱々の出汁巻き卵やご飯、お味噌汁がタイミングよく運ばれて並べられます。
良い近場一泊家族旅行でありました。
壁に飾られていた小さなお花たち。
お庭に咲いたお花でしょうね、シンメトリーなあしらいに和みます。

通路の脇にあった乳母車。
飾りかと思いきや、荷物の多い時には大活躍する実用品でありました。
祖母宅に行くとこんなタイプの乳母車があって、よく兄や妹、従弟らとぎゅうぎゅう詰めに押し込められて祖母と買い物に行きました。
内海の海で泳いでいた頃よりもっと小さな頃のお話です。

そしてエントランスで記念写真。

そしてセントレアへ。
義妹は家族のいるアメリカへと帰っていきました。
長い長い1ヶ月ほどの日本滞在、パワフルな彼女も今頃はホッと一息も二息もついていることでしょう。
そしてバリバリといつも通り働いていることでしょう。
翌日のセントレア行きを見越しての家族一泊旅行。
これは良いですよ。
自宅から一気にセントレアへ向かうより、ちょっと温泉、ちょっと宿泊、これは恒例になりそう。
明日からは私も通常の生活に戻らないと。
間もなくの梅雨明けがきっとよいきっかけになることでしょう。
