2019年04月24日

京都俵屋旅館の黒豆を目指して 〜 むむむ編

つい1ヶ月ほど前、京都の梅が満開の頃に母を連れて京都の俵屋さんに宿泊しました ⇒ ☆彡
主人と母、そして私、楽しい3人の京都一泊旅行。
そしてその日の夕食の時間、主人のたったひと言の問題発言が私を逆上させたのです。

『この黒豆美味しいなぁ・・・黒川さんの黒豆、上品で今まで食べた黒豆の中でいちばんの味だねぇ』

毎年自信をもって黒豆を煮ておりました。
それは結婚前から続く私の年末恒例行事、そして誰もが美味しいと言ってくれました。
確かに違う、黒川料理長の黒豆。
何故かしら。
聞いても、 『普通に煮るだけです、小豆を煮るように普通に』 ・・・なんの参考にもなりゃしない。

そして煮てみました、お正月でもないのに黒豆を。
今まで頑なに守り続けて参りましたレシピとは全く異なる手順で。
年末の黒豆を煮る為だけに常備しておりました上白糖も生砂糖に代えました。
米のとぎ汁を使う方法を小耳に挟み、その為だけに1合分のお米も炊いて挑みました。

黒豆の薄皮が破れているのは想定内、だって練習用に安い黒豆を使いましたから。
そこではないのです、問題は。
根本的に違う気がする、これは黒川さんの黒豆ではありません。





たった5粒で主人を悩殺した黒川さんの黒豆です。
うーん、違う、全然違う。

黒豆くらい自由に操れる技量を身につけたいもの。
黒川さんの上品な黒豆、そしてお正月のお節料理用の家庭的な黒豆。
主人がどちらを望んでも “あら、そんな気分なのね?” なんて余裕でにっこりお返事できるその日を目指し、今回の黒豆レシピも細かく備忘録。






  1. 今回揃えた黒豆です。
    先ずは近所のスーパーのオリジナルブランド、250gで400円程度の黒豆を使いました。

    お水を張ったボールの中で優しく黒豆を洗い、たっぷりの米のとぎ汁に一昼夜浸します。
    思いの外吸水するようで、少量だと思っておりました250gの黒豆はボールの蓋を押し上げるほどふくらみました。

    急いで大きなお鍋にと移し替え、丸一日お米のとぎ汁に黒豆を浸します。

  2. ふっくらした黒豆をザルに移し、真新しいたっぷりのお水と共に中〜強火にかけます。
    普段はしない茹でこぼしを施したらザルにとります。
    お水を張ったボールの中でそっと茹でこぼした黒豆を洗い、再度ザルにとって水切りします。

    重曹 大さじ1/2弱・晒布に包んだ錆び釘 数本と共にお鍋に合わせ、お水をひたひたに注いで中〜弱火にかけましょう。
    丁寧にアクをすくい取り、アクが落ち着いたところで極々弱火にしてキッチンペーパーで落し蓋をします。

    鍋底に黒豆がくっつかないよう、時々お鍋を揺り動かしながら2時間ほど茹でます。
    十分に黒豆がやわらかくなったのを確認し、そのままひと晩おきましょう。

  3. ひと晩おいて更にふっくらとした黒豆です。
    皮がやぶれている分は気にしません、あくまでも練習ですから。

    お鍋ごとそっと蛇口の下に移動し、蛇口に晒しを巻いて晒の端が鍋底に当たるようにします。
    錆び釘を取り出し、細く細くお水を流して20分ほど。
    これで完全に新しいお水に入れ替えるとともに、重曹臭さを除くのだそうです。
    いつぞやの青梅煮の時と同じ用法ですね、多分 ⇒ 辰巳芳子さんの青梅煮 ☆彡

    真新しいたっぷりのお水と共に中〜強火にかけてひと煮立ちさせます。

  4. 黒豆のお鍋が煮立つのを待つ間に、無駄なく次の工程の準備へとかかります。
    先ずは黒豆を蒸す準備。
    蒸し器にお湯を沸かし、平ざるには晒布をひろげておきましょう。

    黒豆を浸す甘いシロップの準備も忘れずに。
    綺麗なお鍋にお水を420t、生砂糖を150g合わせておきます。

    今回生砂糖を使用しましたので、上白糖と比べるとぐっと量は減らしてあります。
    上白糖ならばこの倍使用しても、決して甘過ぎるとは思わないのではないかしら。
  5. ひと煮立ちさせた黒豆をそっと流しに持っていき、晒布をひろげた平ざるにあけます。
    晒しで包み、即座に蒸気の上った蒸し器へと移しましょう。
    強火で10分間蒸し、その間に合わせておいたシロップを沸騰直前まで温めておきます。

    蒸した黒豆を即座に温めたシロップの中へと移しましょう。
    キッチンペーパーで落し蓋をし、黒豆が煮汁に浸っている状態を保って極々弱火で20分。
    火を止め、煮汁が完全に冷めるまではお鍋の蓋をしないでそのまま半日おきます。

  6. ・・・ほぉっ。
    ここからがようやく今朝のお話。
    長い工程ではありますが、作業は分割されているのでその場その場の労力はそれ程でも。

    ひと晩おいた黒豆に追加の生砂糖を加えます。
    ここで加える生砂糖は80g、上白糖ならばやはりこの倍量が平均的だと思います。
    必要ならばお水を足し、弱火に近い中火で沸騰直前までゆっくりと加熱したらキッチンペーパーで落し蓋をします。
    鍋底に黒豆がくっつかないよう時々お鍋を揺すって極々弱火で20分。

    火を止めたらお鍋の蓋をしないでそのまま冷ましましょう。

    黒豆の栄養を豊富に抱いていそうな煮汁を全て無駄にしてしまう、いつもと違う贅沢な黒豆。
    黒川さんの黒豆とはまた異なる品の良い黒豆に仕上がりました。

    ・・・あくまでも練習ですので、本番はまた後日ですけどね。











黒豆だけに没頭出来ればどれだけ幸せでしょう。
ですがお弁当も朝食も準備しないと。
いえ、主人のためだけではありません、私もお腹が空きますもの。

本日のお弁当は、全粒粉とおからパウダーのビスコッティ風。

薄力粉ではなく強力粉を使用した素朴な生地には、胡桃とアーモンド、ドライフィグにチョコレートがぎっしり練り込んであります。
噛み応えはありますが、素朴でほろっと崩れる生地がお気に入り。
生地そのもののお砂糖はぐっと控え、チョコレートやドライフィグの甘さを活かします。






黒豆の備忘録が過ぎたので分量だけ。
  1. 全粒粉強力粉 55g
    おからパウダー 30g 
    グラハム粉 15g
    てんさい糖 小さじ1
    お塩 ひとつまみ

    余熱なしのオーブン 160℃で10分ローストした胡桃とアーモンド 合わせて50g
    ざっくり刻んだドライフィグ 40g
    ビターチョコレート 30g

    以上を全てビニール袋に合わせてふり混ぜましょう。
  2. 卵 1個
    太白胡麻油 大さじ1

    をボールに合わせてよく混ぜ、1を加えてさっくりと混ぜ込みましょう。
  3. メープルシロップ 大さじ1
    レモン汁 小さじ1

    を加えてさっくりと混ぜ込み、手をお水で湿らせながらオーブンシートの上で形を整えます。
    170℃に予熱したオーブンで30分焼き、粗熱がとれたらカットします。
  4. 断面を上にして並べ、今度は160℃で10分間。
    上下を返し、更に10分焼いて冷まします。

    ようやくまとまっている頼りない食感がお気にいりです。






本日のお弁当は自家製キャベツの簡易版ロールキャベツがお菜です。






もう少し味をなじませておきたいところですが、黒豆も朝食の一員に。

主人の 『これ!黒川さんの黒豆と同じだ!』
そんなお言葉をいつか聞けることを妄想しながら、まだまだ黒豆の挑戦は始まったばかり。

気付けばもうこんな時間。
今宵は黒豆を肴に日本酒かしら。
意外とワインとも相性良しなのです、黒豆。

posted by しんさん at 16:00 | Comment(0) | たまぁ〜に作る凝ったお料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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