帯状疱疹の名残はまだ多少おでこ周辺に見受けられますが、それでもいつもの主人です。
主人の入院も後期に入る頃には、私の方も随分ひとり暮らしが定着致しておりました。
将来どちらかが体験するであろう良い予行演習となりましたが、それもその日がくるまで遠慮します。
私の労をねぎらってか、今はへりくだり気味の主人の態度も多分数週間で元通り。
思えば私も随分と主人には気を遣わせたものね。
さて。
そんなこんなで今日からお弁当も再開です。
昨日主人の退院を間近にして心も弾んだのか、スーパーで見かけた鱈で桜でんぶを拵えました。
桜でんぶを使った春らしい色合いのいなり寿司などいかがでしょう。
酢飯の代わりに、寿司酢で味付けをしたおからを詰めたおから寿司。
そう、我が家の定番料理であり、主人の大好物でもあるおから寿司が本日久しぶりのお弁当。
その旅行直後に主人が体調を崩したので、帰りの道中沼津で買った釜揚げしらすも残り気味。
無理に食べたり処分したりするくらいならと、早々に冷凍保存しておいた釜揚げしらすの登場です。
釜揚げしらす入りのいつもよりちょっと豪華なおから寿司。
どうせならばと、今回は桜でんぶ・寿司酢・油揚げ全てに 『生砂糖』 を使用してみました。
桜でんぶから何から何まで一度に拵えるのは大変です。
前日のうちに桜でんぶだけは作っておきましたので、朝はらくちん。
お買い得な生真ダラの切り出しを使用しました。
- たっぷりの熱湯にお酒・お塩を少々加え、再度にたったところにタラの切り出しを加えます。
しっかりと火を通したらザルにとり、ザルごとお水を張ったボールの中に沈めます。
お水の中で、骨や皮を丁寧に取り除きながらざっくりとほぐしましょう。 - ほぐしたタラの身をキッチンペーパーにとって水を絞り、フライパンに移します。
画像よりもう少し細かくほぐしておいた方が、実際は綺麗に仕上がります。
生砂糖 大さじ2強
お酒 大さじ1
お塩・お水で溶いだ食紅 適量
を加え、弱火でほろりとするまで炒りつければ出来上がり。
いなり寿司の油揚げを煮る時、いつもならお砂糖・お醤油を少しずつ小分けして加えます。
今回は生砂糖を使っていることですし、とばかりにちょっとそれを簡略化。
調味料を加えるタイミングは別々ですが、お砂糖もお醤油もそれぞれ一気に加える方法で。
うん、今後はこのやり方でいきましょう、同じ美味しさならば簡単な方が良いものね。
- 油揚げは1辺を切り落として袋状に開き、たっぷりの熱湯で茹でて油抜きをします。
粗熱がとれたところで1枚ずつ両手で挟んで水を切り、中央を丸く空けながらフライパンに並べましょう。
油揚げ全体が漬かる量の合わせ出汁 (我が家のフライパンでは300t量) を注ぎ、中火で煮立てたら生砂糖 大さじ2強を加えます。
火を弱め、落し蓋をして5分ほどことこと煮含めましょう。 - 更に、みりん 大さじ1強・白だし醤油 大さじ1弱を加えます。
再度落し蓋をし、時々油揚げの上下をそっと返しながら、弱火でことこと煮汁が殆どなくなるまで十分に煮含めそのまま冷ましておきます。
生砂糖効果なのか、本当にふっくらしっとりと煮上がりました。
煮汁をたっぷり含んでいても、詰めるものがおからですから余すことなく吸収してくれます。
おからはいつものように乾煎りします。
- おからは100g弱。
釜揚げしらすが入る分、いつもより量を控えめにしてあります。
卵 1個・寿司酢 (お気に入りの配分ですが今日は生砂糖ver.で ☆彡) 大さじ3をよく混ぜたところにおからを加え、フライパンに移してさらりとするまで中〜弱火で乾煎りします。
火を止める直前に、予め冷蔵庫に移して自然解凍しておいた冷凍釜揚げしらす・ひねり胡麻を加えましょう。
しらすがつぶれないよう、そっと底から混ぜ込んで火を止めます。
粗熱がとれたらざっくりとお団子にまとめ、油揚げに詰めましょう。
油揚げの口を少し内側に折り込み、桜でんぶ・炒り卵を飾ります。
青ネギは内側のぬめりをしごき、白髪ネギならぬ青髪ネギに。
アボカドには極少量の寿司酢をまぶしてトッピング。
生砂糖、今後我が家の必須調味料に仲間入りしそうです。
久しぶりのお弁当ですから、今日は慣らし運転の要領で。
隙間埋めには、作り置きしてある千枚漬け・茎ワカメの甘酢漬け・そしてなまり節の塩麴漬けを。
久しぶりの我が家の朝食ですもの、主人もゆっくり食べたいでしょうからね。
今日はお互いにゆったり時間に余裕をもって朝食に挑みましょう。
そう、本日の朝食は主人にとっては正に 『挑み』 でありました。
昨日、入院最後の朝食をスマホで送ってくれた主人。
それに対し私が返した私の朝食を見て、主人は崩れ落ちたそうです。
『どぅみぃ・・・釜たまうどん食べとる・・・』
ふたりのメッセージは全て岐阜弁です。
いえ、そんなことはどうでも良くて、主人の頭は以来釜たまうどんに占領されたとか。
昨晩ねる間際になっても、 『明日の朝は釜たまが良いな』
私が承諾したらしたで、 『かにたまと間違えないでね』 ・・・・・・・
主人が見ていなかった分、朝の連ドラのストーリーを説明する私に彼は言い放ちました。
『朝ドラなんかどうでも良いわ!』
おかえりなさい、主人。
おでこの発疹が綺麗に無くなる頃には、またいつも通り憎まれ口もきいていることでしょう。
そして私は、数年に一回は京都でひとり俵屋旅館を楽しむことと相成りました。
だって楽しかったんですもの、ひとり旅も。