2019年01月21日

八朔 (はっさく) ピール 2019

ちょっと時間はかかりますが、ひとつひとつの工程は簡単そのもの。
作業に取り掛かるまでに少々の気合は要りますが、始めてしまえばもう後には引けませんからね。
冷たい空気に晒しながら、徐々に仕上がっていく色合いの美しさには毎度目尻が下がります。

そんな大好きなおやつ、オレンジピール。

数年前までは、庭で実った八朔を伯父がしばしば届けてくれたので拵える機会も多くありました。

八朔の木を切ってしまった今、そしてその伯父が施設のお世話になるようになった今、皮を意欲的に使おうと思える八朔に出合うこともないまま今に至っておりました。





ですが前日、久しぶりに正真正銘無農薬の八朔との出会いを果たした時のあの高揚感。
昨年畑を引越し、野菜作りをご縁に知人も増え、お互いの畑の行き来も気楽にするようになった折。
自宅がご近所というご縁もあって何かと気をかけてくださるO氏。
O氏らしい几帳面な畑の入口、以前より目を付けておりました立派な実がたわわに実る八朔の木。

えへっ、O氏の側近、M氏のご許可を得て収穫させてもらいました、立派な八朔です。
少々汚れておりましたお顔も、ほら、お野菜ブラシでそっと洗えばこの器量。

折角の収穫にも、畑仲間の誰も受け取ろうとしない不人気な八朔。
私がまとめて収穫した分全部をもらって参りました。





そして何年かぶりに拵えたオレンジピール、いえ、八朔ピールとでも申しましょうか。

市販のものよりうんとやわらかで風味も抜群。
八朔のほんのりとした苦みと香りがいつまでも鼻腔に止まって、しばしうっとりな美味しさです。

前述の通り時間はかかります。
取り掛かったのが先週の火曜日ですから、のんびりのんびり1週間弱を経ての完成です。
ですがひとつひとつの工程は本当に簡単で、何よりその風味が魅力的。





基本的な作り方は柚子で拵えたこの手順と同様です ⇒ 2012年01月18日 ☆彡
  1. 八朔を縦4等分して果肉と皮に分けます。
    皮に白いワタが皮についていたって気にしません。
    果肉は別のお料理に使うとして、今日は皮に集中しましょう。

    皮の重さを計り、その7〜8割程度のお砂糖を用意しておきましょう。
    ですが今回開封した上白糖が6割程度しかありませんでしたのでそれに止めましたが、問題なく完成致しました。

    まずは皮をたっぷりのお水と強火にかけ、沸騰したらそのまま強火で1〜2分煮立てます。
    これをザルにあけて水を切り、たっぷりのお水に晒しましょう。
    時々お水を換えながら2〜3時間晒したら、再度ザルにあけて水を切ります。
    皮を縦に3〜4等分して次の工程へ。

  2. お水 450t (皮がひたひたに浸かる量のお水) を火にかけます。
    計量したお砂糖の1/3量を煮溶かし、茹でこぼした皮を加えましょう。

    キッチンペーパーで落し蓋をしてゆっくりと煮立て、煮汁が皮全体にからむよう煮汁をそっと落し蓋の上に回しかけながら数分煮立てて火を止めます。
    そのまま半日〜1日おきましょう。

  3. ひと晩おいたお鍋を弱めの中火にかけ、更に1/3量のお砂糖を加えます。
    ゆっくりゆっくりお鍋を傾けながらお砂糖を煮溶かし、全体が煮立ったらそっとお鍋を傾けてはシロップを皮全体になじませます。
    2〜3分ふつふつと煮立てながらシロップをからめて火を止め、再度半日〜1日おきます。

    この工程をもう1回、3度目のお砂糖を加えて繰り返します。

  4. 3回に分けてお砂糖を加え、3日かけてじっくり甘みをしみ込ませた八朔の皮はこんな状態。

    皮だけをそっとすくって別ボールに取り出しましょう。
    崩れやすいのでそっとそっと。

    お鍋に残ったシロップを中〜弱火でゆっくり煮立て、焦がさないよう気をつけながら弱火でとろりとするまで煮詰めます。
    火を止めて皮を加え、スパチュラで全体をそっと優しく混ぜてシロップをからめます。
    この状態でまた半日〜1日おきましょう。

  5. 火曜日に始まった作業も早金曜日の朝を迎えております。
    皮だけを取り出してシロップを煮詰め、取り出しておいた皮を戻し入れてそっとからめる・・・
    前日のこの工程をしつこいようですがもう一度くりかえします。

    全体をさっと混ぜてシロップをからめ、皮だけをそっと別ボールに取り出しましょう。
    残ったシロップを中〜弱火で煮立て、焦がさないよう火を弱めて更にとろりとするまで数分〜十数分煮詰めて火を止めます。

    スパチュラで煮詰まったシロップをそっと全体にからめましょう。

  6. 十分にシロップがからんだ皮をオーブンシートの上に間をあけて並べ、半日程度風通しの良い場所で乾かしましょう。

    ビニール袋にグラニュー糖を多めに入れ、ここに表面がセミドライ状になった皮を加えてグラニュー糖をたっぷりとまぶします。
    オーブンシートを新しいものに取り換え、再度平ざるに並べて半日乾かします。

  7. これが本当に最後、最後にもう一度だけグラニュー糖を全体にまぶして半日乾かします。

    これだけの工程を経て出来上がった八朔ピール、美味しくないハズがありません。
    今後おやつとしてはもちろん、いろいろなお料理に活躍してくれることでしょう。

    そして未だたわわに実っておりますO氏の畑の八朔。
    2度目の収穫も期待しつつ、何食わぬ顔で畑仕事に勤しむと致しましょう。






華やかな風味がずっと鼻腔に止まり続ける大好きな八朔ピール。
甘いものでもつい日本酒に合わせてしまうのが私の常ですが、これには紅茶。
これは流石に紅茶、シンプルな紅茶にぴったりな冬のおやつです。











もちろん主人のお弁当もちゃんと拵えましたよ。
絵にかいたような日の丸弁当、をね。

だって主人が言ったんです。
僕は白いご飯が食べたいんだ、ってね。
十六雑穀だの押し麦だの混ぜ込んだご飯でなく真っ白なご飯を、ってね。
自家製の梅干しを添えた日の丸弁当、主人の気も満たされたことでしょう。




今の時期にぴったりな栄養を含んだネギ。
青い部分は刻んでお味噌汁等に引っ張りだこなので、白い部分だけを使った一品です。
  • ネギをバーナーで炙って程よい焦げ目を付けます。
    食べやすく切り、電子レンジでうんとやわらかく加熱しましょう。
    熱々のところに自家製の塩柚子 (☆彡) をからめて出来上がり。






朝食も混ぜ物なしの白いご飯。
今日からニューリリースの自家製キムチは、韓国食材屋さんで調達したキムチソックを使った本格派。
いつもの自家製キムチとどう違うか、ちょっと食べ比べも兼ねて興味津々です。

今週の作り置き料理。
ほうれん草のピーナッツバター和えは、自家製の甘くないピーナッツバターにみりんと白味噌を足して醤油洗いしたほうれん草を和えたもの。
塩柚子風味のネギ、自家製塩麴で和えたブロッコリー、定番の顔ぶれです。

今日は何故かバタバタしたまま主人の帰宅時間を迎えてしまいました。
やろうとしていたことの2割も済ませていない状態で、ドリンクタイムとなってしまいそうです。

先ずは主人に仕事部屋を譲りましょう。
ま、何もできない日があってもたまには良いかと開き直るに時間は必要なさそうです。

posted by しんさん at 14:49 | Comment(0) | たまぁ〜に作る凝ったお料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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