テラスにはジャグジーが設置されており、蛇口をひねれば硫黄泉が勢いよく吹きだします。
昨晩しっかり温泉に浸かってリフレッシュいたしましたもの。
さ、主人、今日はどこへお出かけ? それにしてもこの 『INN』 というホテルは効率的です。
エレベーターがないのはスーツケースを運ぶのに少々キツいこともありますが、何より駐車場が目の前というのは何かと便利。
“簡易宿” というイメージがありましたが、いえいえ、立派なホテルです。 そんな居心地の良いお部屋を出て、本日向かうのは “Big Sur(ビッグ・サー)” 。
ファイファー・キャニオン・ブリッジの倒壊による通行止めの関係で、一時はBig Sur行きをを諦めていた主人ではありますが、さすがの情報収集力、本日はBig Surの南側を目指します。
少々心配しておりましたガソリンのチャージも滞りなくこなし、さ、Big Surに向けて出発です。
先ずは Paso Robles (パソ・ロブレス) から、Elephant Seal Vista Pointを目指します。
ゾウアザラシのサンクチュアリで、美しい沿岸道路を走れるとあって主人の期待は膨らみます。
CA-46を海に向かって走り、カブリロ・ハイウェイ(ハイウェイ1) に乗ったらカンブリアを抜けて北上すること1時間弱。 Elephant Seal Vista Pointは意外と人も少なくて、だらりと寝そべるアザラシらを遠巻きではありますがのんびり眺められました。 この時期ちょうどダイナミックに毛が生え変わる時期らしく、日向ぼっこは欠かせないとか。
それにしてもまぁなんて平和そうな寝姿。 若いアザラシらが二匹、岩場で遊んでおりました。
3月から4月にかけて乳離れするらしい彼ら、今まさに大人の階段を上っている頃合いでしょうか。 遠目でよくは見えませんでしたが、オスのゾウアザラシも何頭か見られましたよ。 注意書きによると、ゾウアザラシの特に巨大なオスは牙もあって意外と強暴だとか。
走るのも意外と速いとありましたが、ビュンビュン走るオスのゾウアザラシ・・・ちょっと見てみたい。 ここまで来たのだから、Ragged Point (ラギド・ポイント) まで足を延ばそうと主人。
Elephant Seal Vista Pointが空いていたと思ったのは、単に時間が早かっただけの様子。
私たちが出る頃には駐車場は右往左往の大賑わいでした。
右手に憧れのHearst Castle (ハースト城) 入口の看板を見ながら、再びカブリロ・ハイウェイを北上すること10マイル強。 ハッとするほど真っ直ぐに続くカブリロ・ハイウェイ。
20分ほどでRagged Point (ラギド・ポイント) に到着です。 通行止めだからと諦めなくて良かったわね、主人。
セントラルコーストを代表する景勝地 “Big Sur(ビッグ・サー)”
眼下に広がる景色とは裏腹、駐車場にはハミングバードが飛び交い何とものんびりとした雰囲気。 青い海に青い空、ここに言葉は必要ないでしょう。
Ragged Point (ラギド・ポイント) を後にして、カブリロ・ハイウェイとCA-46Eを戻りながら今度は山側へと向かいます。
目指すはワイナリー、目的はもちろんテイスティング、そして何よりランチの時間です。 1時間ほどで目的の “Opolo Vineyards (オポロ・ビンヤーズ) ☆彡” に到着。
隣接するレストランでは、何でも窯で焼くピザが大好評だとか。
葡萄畑を眺めながらのランチ、このロケーションに心弾みます。 ピザのネーミングが可愛い、 “Three Little Pigs Pizza” 。
サラダは “Summer Garden Salad” 。
2015年のマウンテン ジンファンデル、2014年のシャルドネを頂きながらお料理の登場を待ちます。 このレストラン、カトラリーの類が全て使い捨てでその気楽な感じがとても好き。
食べ物の持ち込みをしているグループもいて、商売商売していない朗らかな雰囲気が漂います。 ほら、見て。
ピザのお皿が段ボール。 イチゴが可愛いい夏のガーデンサラダ。
こちらのレストラン、フルーツの使い方が本当にお上手。 カリフォルニアの空は今日も高くてスコンと晴れ渡っています。
開け放たれた大きな窓から見える葡萄畑がまるで水彩画のようです。 ゆっくりとお昼を頂いた後はお隣のテイスティングルームへ。
主人曰く、 『何を飲んでも美味い!』 と。
散々悩んだ結果、結局、ストランでも頂いたこちらのワイナリーのフラッグシップワイン、Mountain Zinfandelの2015年を購入。
それに加え、この雰囲気にぴったりなスパークリングワインも購入。 ちなみにこのスパークリングワイン。
雰囲気に流されて数時間後にホテルのジャグジーで飲み干されることになるのです。
お次にワイナリーに向かおうとしたその時。
スマホに圏外マークが表示され、予定していた更に山奥にあるワイナリーに行くのは断念。
あら、主人、残念だったわね。
少々落胆気味に帰路につくも、そこは怪我の功名体質の主人。
宿泊先のパソ・ロブレスを抜けた場にあるワイナリー “Pear Valley (ペア・バレー) ☆彡” に到着。 このワイナリーが正に怪我の功名。
広大な葡萄畑に一本の木、この景色いかがですか。 ここで結婚式も挙げられるのだそう。 この景色にも触発されたのでしょうか。
普段の主人なら選ばないような、オレンジマスカットのデザートワインを1本購入しておりました。
ふふ、なんだか可愛らしいワインね。 青空はひろがっておりますが、カリフォルニアはもう夕方です。
ホテルに戻ってディナーに出かける準備を致しましょう。
今宵のディナーは “ Thomas Hill Organics (☆彡) ” 。
文字通り、オーガニック料理を提供するオシャレなカフェといった感じのレストラン。
宿泊先のパソ・ロブレス・インからは歩いてすぐのようですが、そこは用心してUberで。
Uberの運転手が女性だったこともあり、この辺りの食べ物屋さんのお話で盛り上がります。
美味しいアイスクリーム屋さんもあるとか。
乗車時間がものの数分という中での弾丸トーク、気付けばレストランの前。 おしゃれな店内。
ぐっと奥にひろい店内を進むと先ずテラス席がありました。
主人はパソ・ロブレスの熱気にすっかり滅入っているようなので、今宵は室内のお席で。 可愛い店内です。
肝心なお料理ですが、それがもぉひっくり返るくらいに美味しい。
すぐにでも参考にしたいお料理が目白押しで、次にくるなら絶対にまたパソ・ロブレス、そしてこのレストラン “Thomas Hill Organics” 、今回の旅行で断トツ一等賞を差し上げたいレストラン。
特にこのビーツのサラダ。 よくあるビーツのサラダとは佇まいからして異なります。
柑橘系の果樹でマリネされた小ぶりなやわらかなビーツにヤギのチーズ、ふわりとフェンネルの香り。 スタッフの女性が言います。
『そうよ、お料理は見た目も綺麗でなくっちゃ!』
おっしゃる通り、同感です。
下の画像はwarm grain salad。
兎に角メニューの並びが私の好み。
お水にまでこだわってsource water、もちろんガスなしガスありと選べます。 メインは鴨に致しましょう。
duck duoと名付けられた鴨のお料理、鴨好きの主人を唸らせる完璧な火の入り具合でありました。 ワインの揃えも豊富。
ワインで有名なパソ・ロブレスとあって、メニューのワインはこの辺りのローカルワインばかり。 しかも、ワイナリーで購入する値段とほどんど変わらない価格なのだとか。
主人が大興奮しておりました。
ちょっと写真写りの悪いガーデンハンバーガー。 デザートはオリーブオイルのケーキとパンナコッタ。
徹底したオーガニック料理。
この価格を保ちつつ、レストランでここまで出来るのはやっぱりお国柄なのかしら。 テラス席の壁の前で、接客をして下さったお店のスタッフさんと記念写真。
楽しかったぁ。 あ、そうそう。
もちろん主人とも記念写真。
私好みのお店、見つけておいてくれてありがとうね。 のんびりとしたお土地柄。
行きはUberでしたが、帰りはホテルまでのんびり歩いて帰ります。
昨日行った “J Dusi Wines” のテイスティングルームで教えて頂いたパソ・ロブレスでお勧めのレストラン “Fish Gaudho” が帰り道にありました。 ホテルに戻って、お昼に買ったスパークリングワインでも飲みましょうか。
パソ・ロブレスでの二日間が終了します。
最後にもう一度、硫黄泉にしっかり浸かってからチェックアウトと致しましょう。 二泊した老舗ホテル、パソ・ロブレス・インを後にしてモントレーに向かいます。 暑い暑いとボヤいていた主人。
この数時間後、モントレーの冷気に晒されて震えることとなるのです。
周囲がダウンジャケットを着ている中、勇ましくTシャツで通した主人に笑いこける悪妻。
もちろん明日もワインのテイスティングは続きます。
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