年の瀬ですので多少はいつもより忙しく致しておりましたが、それとは比べ物にならない程、 “検査” に時間も気力も体力も費やしておりました。
私にとっては趣味と言っても過言ではない、大好きな健康診断。
12月は市の健康診断が立て続けで、胃がん・乳がん検診に至っては1週間で両方こなす過密ぶり。
検診だけならまだ良いのですが、乳がん検診の結果、精密検査要と出たからさぁ大変。
但し、これは検査当日に触診結果でも告げられておりました。
悪いものではないでしょうが一応検査を、と言われており、さほど心配はしておりませんでした。
幸いなことに、乳腺外科のある県の総合医療センターまでは目と鼻の先。
年末で混雑する駐車場をすり抜け、マンモグラフィーとエコー検査を難なく受けられたまでは順調だったのですが、それからが実は苦悩の始まりだったのです。
検査を終え、結果が出るまでは2時間弱。
そこは近所のお気楽さで自宅に戻り、昼ドラを見て主人とお揃いのお弁当を食べ、そしてまた歩いて総合医療センターへ。
予定の時間が過ぎても呼ばれる気配はなし。
予定時間をゆうに1時間半ほど経った頃ようやく呼ばれるも、医師を始めスタッフの方々もなにやら神妙な顔つき。
そしてまた別の医師によるエコー検査。
・・・・・・・・・・・
しばらく神妙に画面をにらんでおりました女医さんですが、ふと私の脇下あたりで手を止めました。
そして画面から目を離し、手を止めた辺りを直視。
『あら?これは何?傷跡かしら?』
・・・はぁ、私、自慢ではありませんが24歳で肺癌手術を体験致しておりますので。
ですがそれ、問診表にも明記してありますし、何より見ればわかる程しっかりした傷ですよ。
・・・ここで現場が急に和みます。
どうやら、この傷跡のせいで乳腺か何かに 『ゆがみ』 が出来ていたのだとか。
原因が分からず調べているうちに時間は経つわ、はてさて原因は何?の状態だったようです。
・・・病院、好きだからいいですけどね、別に。
だけど、ちょっと画面から目を離して私を見てくれれば、傷なんてすぐ分かるんじゃ・・・
いやいや、素人判断でそんなこと言ってはいけませんね。
何はともあれ、何もなかったということでめでたしめでたし。
その夜はワイン会の翌日にも関わらず、安堵の為主人とまた飲み過ぎ、主人は二日連続二日酔い。
ですがようやくこの一連騒ぎも幕を引き、今、のんびりとした日常が戻って参りました。
長い長い前置きでした。
ワイン会のこととか、2016年最後のお弁当のこととか、色々備忘録したいことが溜まっております。
ですが何より備忘録したいのは、今年のクリスマスイブに拵えたこのお料理。
手前のご飯は、 “チキンビリヤニ” なる炊き込みご飯のようなもの。
奥のココット皿はココナッツをふんだんに使ったひよこ豆と菊芋の “クートゥカリ” というお料理です。
もちろんどちらも初耳のお料理。
聞いたこともなければ食べたこともありませんので、いわゆる妄想料理という類です。
作業そのものは簡単なのですが、何しろ手順がややこしい。
ですがなかなか面白いお料理ですので、また作ってみたいと意欲を掻き立てる2品です。
ちなみに、主人が送ってきたレシピはこちら ⇒ 南インド屋 クートゥカリ / 南インド屋 ラムビリヤニ
インド料理レストランを経営していらっしゃる方のサイトのようです。
“ケラウウォーター” なる耳慣れない食材もありますが、ほとんどは常備してあるものばかり。
ケラウウォーターを取り寄せて、スパイスに満たされたクリスマス イブと参りましょう。
先ずはビリヤニから。
ラムは入手困難ですので鶏もも肉を使っております。
ホールスパイスを粉砕したり、マリネをしたりと工程は多いのですが、手順そのものはシンプルです。
- 先ずは鶏もも肉をマリネします。
フライドオニオンを準備しましょう。
玉ねぎ 1/2個分を薄切りにし、180℃に熱した油でじっくりと揚げます。
うっすら色付くまで揚げたら網にとり、さらにキッチンペーパーの上にひろげて油を切っておきましょう。
ホールスパイスを粉砕します。もちろんフードプロセッサーで。
カルダモン・クローブ・ブラックペッパー・クミン・シナモン・スターアニスをフードプロセッサーに合わせ入れ、ナツメグをおろして加えます。
フードプロセッサーを回して粉砕し、別皿に取り出しておきましょう。
次もフードプロセッサーを使います。
ここで未明の食材、ケラウウォーターなるものが登場します。
生の青唐辛子 (自家製の唐辛子を冷凍保存してあります) ・ニンニク・生姜・ヨーグルト・レモン汁・お塩・ケラウウォーター・無塩の醗酵バターをフードプロセッサーに合わせ、滑らかにあるまで高速回転させます。
ケラウウォーター、よくわかりませんがややケミカルな香りのするスパイス水といったところ。
他の分量を明記しておりませんので参考になるかどうかは不明ですが、小さじ1程で充分。
以上、フライドオニオン・粉砕したホールスパイス・ペーストの3種に加え、ターメリックパウダー・コリアンダーパウダー・チリパウダーをぶつ切りにした鶏もも肉に揉み込みます。
常温で2時間、または冷蔵庫でひと晩マリネしましょう。
マリネしたもも肉は、皮面を下にしてお鍋に敷き詰めておきます。
お鍋はぴったりと蓋の出来る厚手のお鍋を使います。 - ご飯の準備に参りますが、その前にいくつか下準備を。
バスマティライスの在庫がありませんでしたので、タイのジャスミンライスを使っております。
さっと洗い、40分間お水に浸しておきましょう。
ホールのカルダモンとお塩を合わせ、出来るだけ細かく粉砕しておきます。
ひとつまみのサフランをぬるま湯に浸しておきましょう。 - お米を茹でる為のお湯をたっぷりと沸かします。
カルダモン・クローブ・シナモン (全てホール) ・お塩 (お湯の量に対して1%程度) ・ベイリーフ・油を加えます。
ここにお水を切ったジャスミンライスを加えるのですが、その前に1/2カップ程を取り分けてお鍋に敷き詰めた鶏もも肉の上に回しかけます。
その後ジャスミンライスをを加えます。
再度沸騰したら火を弱め、先ずは2分カウントしましょう。
ザルでお米の1/3量程度をすくいとり、これを鶏もも肉の上に散らします。
更に4分、累計6分茹でたら再度1/3量程度のお米をすくい取ります。
固ゆでのお米を先程散らした鶏もも肉の上に散らします。
この上に粉砕したカルダモン塩を散らし、更に油を回しかけましょう。
お米のゆで時間をずらしながら加える、らこのような工程は初めてです。 - 最後に残った茹で米をすくい取ります。
しっかりお水を切る必要はありません。
別鍋にアルミホイルとオーブンシートをひろげ、この上に最後のお米をひろげましょう。
カルダモン塩・油・ぬるま湯に浸したサフランを浸け水ごと加え、ぴったりと蓋をして極々弱火で30分蒸し焼き状態に。
その後20分蒸らします。 - 4と同時進行で、鶏もも肉入りのお米も仕上げに参りましょう。
ぴったりと蓋をして、5分程度強火で加熱します。
蒸気が上がり始めたら火を弱めて30分程。その後20分蒸らしましょう。 - これで二つのお鍋でそれぞれのお米が炊き上がりました。
盛り付けには2種を混ぜてしまう方法と、上にサフランライスを重ねる方法とあるようです。
私は後者の更にダイナミック版。
腿肉のご飯の上に、えいやっとサフランライスをひっくり返してさっくりなじませます。
少々中途半端ではありますが、チキンビリヤニはこれで完成。
不思議な手順の一品でした。
お次はクートゥカリ、ココナッツのほとんど辛くないカレーです。
本来はヤムイモや青バナナで作るとありましたので、私は菊芋を使ってのチャレンジです。
菊芋は火を通し過ぎるとほっこりとした食感になるので、あくまでもさっと加熱する程度で。
シャキッとした食感を活かします。
チキンビリヤニと同時進行で進めた為、お鍋が足りません。
琺瑯のバットをお鍋代わりにして進めて参りましょう。
- 先ずはひよこ豆を茹でます。
私はかための豆が好きなので、お水に浸さずそのまま圧力鍋で仕上げます。
5分加圧したら圧が自然に抜けるのを待って蓋を開け、そのまま浸しておきましょう。 - ココナッツファインを乾煎りします。
仕上げに極少量使いますので、ふたつまみ分は取り分けておきましょう。
乾煎りしたココナッツ・ココナッツミルク・黒胡椒を合わせ、フードプロセッサーでペースト状にしておきます。 - 菊芋は綺麗に洗い、食べやすい大きさに切りってお鍋に。
ひよこ豆とその茹で汁を1カップ程度ここに加えます。
お塩・ターメリックパウダー・チリパウダー・2のココナッツペーストを加えてひと煮立ちさせましょう。 - 3と同時進行で参ります。
小鍋に油とマスタードシードを合わせ、焦がさないよう中火にかけます。
パチパチと弾け始めたところで、青唐辛子・取り分けておいたココナッツファイン・カレーリーフを順に加えていきましょう。
3の火を止めると同時に、4をジュッと加えて仕上げます。
実はそれ程難しいものではないのですが、なにしろ工程になじみがなくて苦労しました。
サフランライスも合わせてお鍋が3つ以上は必要ですものね。
琺瑯の保存容器があって助かりました。
仕上がったチキンビリヤニはこんな感じです。
今夜は今年最後の外食、久しぶりのラーモニーさんです。
主人の体重が少々不安ではありますが、まぁどこかで帳尻を合わせると致しましょう。
冷蔵庫の中には、ほんの少しお正月を意識した保存食がいっぱい。
今年は屠蘇散も用意致しましたし、文字通りお家でのんびりとしたお正月を楽しむことでありましょう。
まぁいつものことですが。
今年も大きな病気もなく健康で過ごせました。
あ、そうそう、白内障手術も体験致しましたが、あれは生活習慣を見直す良いきっかけになりました。
50も間近ですもの、これくらいのガタは覚悟しないと、ね。