2010年01月31日

あり合わせ丸柚餅子、乾燥完了!

皆さま、柚餅子(ゆべし)という食べ物を ご存じでしょうか。

丸ごとの柚子の中身をくり抜き お味噌やクルミ等を詰めて乾燥させたもの、
柚子の皮を刻んで 上新粉等と共に竹の皮に包んで蒸しあげた ちまきのようなもの、
柚子は使用せず 黒砂糖とお醤油でクルミ餅のような風合いの 東北地方で見られるもの、
他にも 柚子風味の羊羹のようなものだったり 求肥を用いたものなど、地方によって 実に様々。

古今東西、形も味も製造法も 全く異なる柚餅子の食べ歩きを 趣味とする風流人もいるとか。

昨年の末・・・ちょうど 冬至の頃です。柚子風呂にどぉぞ・・・と 柚子をたっぷり頂きました。

そこで 初挑戦です、初の柚餅子

なかなかの力作。1ヵ月ちょっと 我が家のベランダで干され干されて、ようやく昨日 完成。

主に、丸柚餅子(まるゆべし)と 平柚(ひらゆ)に分けられるこの食べ物。
保存食としての目的が強いようではありますが、まさに珍菓。

薄くスライスすると、そのごつごつした外見からは結びつかない なんとも優雅な柚子の香り。
干されて干されて こんなに小さくなったにも関わらず、しっかり柚子の風味・・・

お酒のおつまみに、お料理のちょっとしたアクセントに、もちろん お茶受けに 重宝しそうです。




実を申しますと・・・
初の丸柚餅子にチャレンジしたには、柚子をたっぷり頂いたことと もうひとつ大きな理由が。

時 遡ること2ヶ月強・・・昨年 11月の中頃。『霜ばしら』 という 高価なお菓子を頂きました。

お口に入れると、すっと消えてなくなる まさに 『霜柱』 のようなこの飴菓子・・・
そぉ〜っと蓋を開けると、雪のような“らくがん粉”に守られた “霜ばしら” が並んでおります。

http://www.tamazawa.jp/pcindex.html 詳しくは 玉澤さんのHPで

優雅なこのお菓子を優雅に楽しんだ後・・・
ものすごく私を悩ますのが、さくさくの飴の緩衝剤代わりの この “らくがん粉”。
罪なもので、何も知らなければ何てことなく処分出来るのに 説明書きにこんな一文が。

お召し上がりの後、らくがん粉は乾燥したフライパンに移し、弱火で加熱し、
焦げ付かぬようにかき混ぜ、若干色がついた頃合で器に移し、
砂糖と極く少量の食塩を加え、よく混ぜてお召し上がりください。
風変わりな、香ばしいお茶請けが出来ます。


だ、ダメでしょぉ?こんなこと知っちゃったら 捨てられないでしょぉ?玉澤さん・・・
でも “風変わり” って何よ。“美味しく” でなくて “風変わり”って。



はい、ご想像の通りです。
今回 初の手作り丸柚餅子。この 緩衝剤代わりの“らくがん粉”を、消費する為のお片付け料理。

過去にも お弁当の主食としてその変貌っぷりを楽しみましたが、いや これからはこれかな?
お家にある物、頂き物、そして 何より貧乏性精神で作る珍菓 『丸柚餅子』・・・あぁ 自己満足。




小ぶりな柚子 9個を使って作ります。
皮ごと食するものなので、柚子は 是非とも無農薬のもので。

お塩をすり込み 表面をよく洗った後 お塩を洗い流し、熱湯をまわしかけて 丁寧に洗います。
柚子 2個分の表面の皮を 薄く薄くすりおろし、果汁を搾ります。
皮は 白い部分は 苦味が強いので、表面だけをすりおろしましょう。

他の柚子は、上部を切り取って蓋にし 中実を綺麗にくり抜いておきます。
切り取った蓋部分が ぴったり合わないと蒸す時に困ります。柚子の中に入れておきましょう。



いよいよ、例の “らくがん粉” を使って 柚子の中に詰める “餅種” を作ります。

これも お家にあるもので。クルミが少量しかなかったので、茹でピーナッツやらを追加。
クルミ 25グラムと 市販の茹でピーナッツ 15グラムは 包丁でざっくり刻んでおきます。

らくがん粉 55グラムに、刻んだクルミと茹でピーナッツ・すりおろした柚子の皮・合わせ味噌
50グラム・白味噌 25グラム・お砂糖 20グラムを加えて よく混ぜ合わせます。

これを 詰めやすいかたさになるよう、柚子果汁とみりんでのばします。

用意しておいた柚子の器に詰めるわけなのですが、ここで 注意が必要です。

下の写真ほど たくさん詰めてはなりません。蒸した時 中身が膨張して 大変なメに遭います。
6分目くらいに とどめておきましょう。





これを じっくりじっくりと蒸します。

水滴が落ちないよう 蒸し器の蓋を布きんで包み、蒸気の上がった蒸し器に並べます。
中火で蒸すこと 40〜50分。蒸し上がったらそのまま冷まし、ザルに並べて乾かします。



後は 1ヶ月〜2ヶ月 ひたすら干します。
長丁場なので、邪魔にならないよう お茶パックに入れて こんな感じで干してみました。

雨と直射日光は厳禁。朝 洗濯物と一緒に吊るし、夕方 洗濯物と一緒に取り込みます。
寒いこの時期の風だからこそ 美味しい丸柚餅子を作りだしてくれるのです。




こぉして 約1ヶ月半・・・
日中はベランダ、雨の日や夜は 我が家で最も寒い玄関へと場所を変え 干され続けた柚子達。

おぉおぉ・・・なんとまぁ 以前の姿からは 想像もつかぬ姿に。

ラップで包み直し 冷蔵庫で保存してあげれば、約1年くらい保存可能なんだとか。

源平の頃よりの珍菓 兼 保存食とされてきた 『丸柚餅子』・・・見事 完成いたしました。
そして 頂き物の 『霜ばしら』・・・粉まで 全てを余すことなく美味しく頂き、そして遊びました。

ふわ〜っと香る柚子、香ばしいもっちもちのあり合わせ餅種、柚子の苦味。まさに 大人の嗜好品。
甘さを抑えてあるので、お茶受けだけにとどまらず お料理にもどんどん使えそう。

昨日は 夕ご飯のうどんに1枚。これだけで ただのうどんが 料亭のうどんに (←言い過ぎ。)


でもね、ふと思ったのです。私、丸柚餅子というもの 食べたことなかったのだわ、そぉ言えば。
ま、それはさておき、今夜は お手製丸柚餅子で冷酒といきましょうか。ね、主人



posted by しんさん at 09:02 | Comment(0) | 柚子をとことん使いましょう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。