誕生日(ではないけれど)特典のいちばん風呂をいただき、主人がお風呂から上がるのを待って、よく冷えたキリンの大瓶を抜栓します。
お風呂に浸かっている時に聞こえた聞き馴染みあるお声。
昨年はお会い出来なかったお部屋係のなつさんが、お怪我から復帰されていつものようにキビキビお料理を運んできてくださいましたよ。
例年大文字焼きが描かれていた食前酒の器は秋の佇まい。
菊の花弁を浮かべた菊酒、俵屋さんの秋のお料理開幕です。
鱧のすり流し、美味しかったぁ。
もっちりとした鯛のへぎ造り、鰆の炙り、そして湯葉。
桔梗に女郎花の素敵なお椀。
中にはお豆腐のお月さま。
小さなお餅にはスッポン、え?月とスッポン?
鱧の白焼きには、ポン酢と柚子が効いた赤味噌。
蓮根の梅のまとい方がお見事。
どうもついつい悪者扱いしてしまう赤味噌ですが、鱧に合わせるよりも日本酒のお供としてチビチビ舐めるこの美味しさ、楽しさ。
湯葉寿司。
白焼きに添えられていたもみじ。
同じお庭から摘まれたのでしょうに、こんなに指の数が違うのね。
お料理も終盤。
熱々の冬瓜とたっぷりのきのこ。
エビが差し色になって綺麗。
そろそろお酒もおしまいですね。
穴子の土佐酢掛け。
焼き麩のお味噌汁がぽってりとして美味しい。
そして俵屋さんの糠漬け、今年は特に美味しい気がしてならないのです。
赤ワインでコンポートにした葡萄。
我々には珍しく、少し焦ってデザートをお口に放り込んだには訳があるのです。
この時期を選んだもうひとつの理由、新館屋上のお月見。
少々時間は過ぎてしまっておりましたが、仲居さん方のお心遣いでのんびりお月を愛でることが・・・
俵屋さんのぎりぎりお隣まで建ったマンションがお月さんを見事に妨げておりました。
これも時間の経過と、お月見の雰囲気だけを楽しみます。
新館の階段手前のこの誂え、秋の俵屋さんを満喫致しました。
寿の間の網代天井も夜の佇まい。
いつもより随分と遅い就寝です。