10月も半ば。
流石にクーラーこそ稼動しておりませんが、羽毛布団を半分めくり上げて暑さ回避する昨今の気温高低差には甚だ呆れております。
それでも食材界では秋の味覚にあふれているようで。
三重県は多度、四季の味を堪能すべく今年も自然薯コースを頂きに秋の大和さんへ。
駐車場には満開の金木犀。
百合根の味噌和え、ツルムラサキのお浸し、そしてノンアルコールビールで自然薯コース開幕です。
カリカリとろりのむかごの天ぷら。
そしてやまかけ。
嬉しいいつもの味。
カリカリでふわふわで甘辛だれ、自然薯の蒲焼き。
菊正宗が傍らにいてくれれば最高に幸せな甘辛具合。
地味な自然薯コースを彩る朴葉焼き。
そっと寄り添う葛切りの酢の物。
この葛切りが私は大好き。
そして朴葉焼きに苦戦する主人を眺めているのもまた大好き。
数年前お料理を始めたのは、誰にも分け与えず自分だけで全部食べたいからだ、と。
数年前お料理を始めたのは、誰にも分け与えず自分だけで全部食べたいからだ、と。
そして『誰にも惜しまれずにフライパンを置いた』と自負する男。
惨敗ってことね。
今年の朴葉焼きは火の当たりが少々あまかったのかしら、なかなかとお味噌がふつふつ煮立ってきません。
・・・ただし主人の分だけは。
引っ掻きまわし過ぎでしょう。
そうこうしているうちに、今年はまだ朴葉焼きに手をつけられないうちにご飯が運ばれてきましたよ。
若女将が気を利かせ主人の火をつけ直してくれました。
もう少し主人の朴葉焼きは時間がかかりそうですが、私の方は良い感じ。
甘いお味噌に香ばしい香り。
甘いお味噌に香ばしい香り。
お味噌の脇には麦ごはん。
ようやく食べ頃になった朴葉焼きを前に、主人がにやり笑みを浮かべます。
そして徐にご飯を朴葉焼きの上に。
・・・そうそう思い出しました。
昨年、そう、少しだけ残った朴葉焼きに私がご飯を少し加えて焼き味噌ご飯にしたんだっけ。
あっという間に朴葉焼きを平らげてしまった主人にはそれが叶わず、1年越しの焼き味噌ご飯にご満悦。
もちろん半分は正当な自然薯ご飯でいただきます。
・・・主人。
我を忘れておりました主人も戻ったところでデザートタイム。
初めましての焼きイチジク。
程よいカラメリゼにマスカルポーネ、主人がまた我を忘れます。
2022年の自然薯コースは、真っ青な秋空と満開の金木犀で幕を引きました。
次回はしし鍋、12月の予約をして帰途につきます。
今年は例年になく金木犀がたくさんお花をつけたそうですよ。