2019年04月10日

主人初めての入院 〜 そして本日退院

熱海の名旅館 “蓬莱” とその別館 “VILLA DEL SOL(ヴィラ・デル・ソル)” の大千秋楽に合わせ、新婚旅行で宿泊したヴィラ・デル・ソルに主人とふたり出掛けたのはほんの10日前のこと。
帰宅後1週間も空けず京都俵屋さんでの宿泊を決めたのは、お世話になった方へのお礼を兼ねて。

ですがそんな強行スケジュールが体に障ったのでしょうか。
熱海にいる頃から主人の目の充血が気になり、帰ったら眼科に行こうと言っておりました矢先の事。
見る見る主人の顔、特に目が腫れあがり、急きょ酷い帯状疱疹で入院することと相成りました。
先日の京都 俵屋さん、私のひとり旅はそんな理由からです。

ウィルスは幸い角膜には感染していないようで、1週間の入院を経て本日間もなく退院です。
入院初日は左目が腫れて開かない状態でしたが、今は思春期のニキビ程度の発疹に治まりました。
食欲も回復し、何より主人の毒舌が以前のように炸裂しておりますのは体調改善の証拠です。

主人の入院中、どこからか状況を聞きつけた詐欺師の被害に合うやもしれません。
出来るだけ主人の入院はひた隠しにし、おとなしく病院と自宅の報復に専念しての安全対策。
・・・ホコホコと京都に泊まって桜を見てレースの塵除けを注文するなど致してはおりましたけど、ね。





さ、兎にも角にも主人はあと数時間で退院です。
明日から仕事も復活と意気込んでおりますので、お弁当も再開でしょう。
折角ですので主人不在の1週間、お弁当ブログらしく拵えたお料理をここに備忘録しておきます。










先ずは主人が入院した翌日に焼いたこのケーキ。
酒粕をたっぷり使用した全粒粉のケーキです。

ずっしりとしたチーズケーキ風の酒粕ケーキではなく、ふんわりと酒粕が香る軽いケーキ。
バターも油も使用しておりません。
酒粕に全粒粉、そしてレーズン、豆乳と入院中の主人にはぴったりな軽い食感の酒粕ケーキです。
甘さも程よく、言われれば酒粕の奥ゆかしさが気に入っております。

ベーキングパウダーを使用しておりませんが食感はふんわり。
焼いた後、ひと晩冷蔵庫でしっかり休ませてから召し上がれ。

以下の分量で約19.5cm四方のスクエア型にひとつ分です。





  1. 酒粕 (板状ではありますがやわらかなタイプです) 80g
    豆乳 80g
    を金属製容器に合わせ、湯せんで温めながらペースト状に練り混ぜ粗熱をとっておきます。

  2. 卵白 3個分をよく溶きほぐし、てんさい糖 25gを数回に分けて加えながら泡立てしっかりとしたメレンゲに仕上げます。
    泡立てたメレンゲは出番まで冷蔵庫で冷やしておきましょう。

  3. 卵黄 3個分を軽くときほぐし、粗熱が取れた1の酒粕ペーストを加えてよく混ぜます。
    よく混ざったところで、てんさい糖 25gも加えて混ぜましょう。

    全粒粉薄力粉 60gをふるい入れ、スパチュラでさっくりと混ぜ込みます。
    粉っぽさが残る段階で、レーズン 30gも加えて一緒に混ぜ込みます。

  4. 冷蔵庫に入れておいたメレンゲを取り出し、先ずは1/3量程度を3に加えて混ぜましょう。
    よく混ざったらメレンゲのボールに戻し入れ、メレンゲをつぶさないようスパチュラで底からすくうようにしながら混ぜ込みます。

    オーブンシートを敷いたスクエア型にふんわりと流し、表面をそっと平らにならしましょう。

  5. 200℃に予熱したオーブンに移し、天板にお湯を張り先ずは180℃で15分湯せん焼きに。
    その後温度を160℃に下げ、更に25分湯せん焼きにしましょう。

    ふんわり焼き上がりましたがちょっと我慢。
    粗熱が取れたらふんわりとラップをし、ひと晩冷蔵庫で寝かせましょう。
    こんな感じに落ち着きます。

    型から出してそっとオーブンシートをはがします。

    お好きなように切り分けて、茶こしを通して和三盆をふりかけます。
    フルーツなど添えて召し上がれ。






主人に持参した酒粕ケーキ。
目は腫れあがって痛々しいものの、お口はなかなかのお達者ぶりな主人。
毎回の食事の画像を送ってきては、切れ味鋭い批評を添えてありました。

朝食のお味噌汁の具に入っていたキャベツを “ふときゃべつ” と表現したセンスに笑いこけました。
  • この時のイチゴやネーブルは即席のフルーツソースに。
    主人不在中、朝食のヨーグルトソースとして活躍しておりましたが間もなくなくなります。











主人の入院中は暖かい日が続き、畑のネギにもネギ坊主がちらほら。
大抵の人はネギ坊主が出来たネギなど毛嫌いするのでしょうが、いえいえそんな邪険にしないで。

ネギ坊主の天ぷらだって美味しいのだから。
しかも抜群に美味しいのだから。





材料はネギ坊主とネギの白い部分。
かりっとした衣にじんわり甘いネギ、美味しいのです。
  1. ネギの白い部分とネギ坊主の部分は、それぞれ食べやすい大きさに切っておきます。

  2. 氷水・レモン汁・お酒・極少量の白だし醤油を合わせ、米粉をここにふるい入れましょう。
    菜箸でぐりぐり混ぜても大丈夫。
    ちょっとゆるめのホットケーキ生地を目安に米粉を加えましょう。
  3. ビニール袋に少量の米粉を入れ、水気をしっかり除いた1を加えて米粉をまぶします。
    これを2のボールに加えてからめ、低〜中温に温めた太白胡麻油でかりっと揚げれば出来上がり。






そうそう、主人の病室にはこんな風にして持っていったんだっけね。
初めての食材に主人もびっくり。
軽く味付けもしてあるから、その場で摘まんで食べていました。











何と言っても幸運だったのは、主人の入院先が近所だったという点。
自宅から車で3分。
駐車場がいっぱいでも、私の実家から歩いて5分。
主人の入院中、車を実家に停めては差し入れにと馳せ参じました。





焼きネギと焼きマイタケの甘酢漬け。

イワシが見えないくらい具沢山、賑やか野菜のイワシの南蛮漬け。






朝食も出来るだけいつもと同じ内容を心掛けておりました。

主人の朝食と画像で見比べては、スマホ上で笑いこけておりましたもの。

『僕のはしろめしや!』 なんて主人が可笑しくて。

病院食も最後の今朝は、主人の大好物釜たまうどん。

さ、そろそろ主人の点滴が始まる時間かしら。
今日は寒い上に雨が朝から降り続いております。
ひざ掛け持参でそろそろ病院へと向かいましょう。





今日は実家に車を停めず、主人がすぐに車に乗れるよう病院の駐車場へと向かいます。
これで1週間にわたった私のひとり暮らしはおしまい。
明日からはいつもの生活リズムが戻ってきます。

posted by しんさん at 14:47 | Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月09日

訳あってひとり京都 俵屋旅館 〜 楓の間 二日目の朝

ほんの数週間前の電話で、桜満開の土日に京都俵屋旅館に宿泊とは幸運でしかありませんでした。
いつも通り主人の運転でゆっくりと岐阜を発ち、ほんのちょっと寄り道をして知った和菓子屋さんでお抹茶を頂きながらお茶の先生を紹介して頂いた後、ゆったりと京都へ向かう予定でした、当初は。

ところがぎっちょん、急にわたしひとりだけの上洛と相成りまして心配気なのは私でなく主人。
名古屋まで出てひかりに乗るのは心配だからと、岐阜羽島駅から地味にこだま利用の上洛です。

新幹線に乗ったら連絡するんだよ、自分のことで精一杯な筈な主人が念押しします。
大丈夫。
早めに京都駅に着いた後、タクシーでちょっと寄り道してから無事京都俵屋さんに着きました。

チェックインまで近所をお散歩して迷子になるも、鳩居堂で道案内を乞い大事に至らず。
湯船と一体化するほどの長湯を楽しんだ後はカラカラ下駄をならしてバーに行き、夕食の時間に遅刻する程バーテンダーさんと話し込んだ後の夕食は2合の日本酒と共に美味しく完食。
心地良い俵屋さんのお布団でぐっすり就寝致しました。





そしてひとりの京都俵屋旅館、楓の間で迎えた二日目の朝。
昨日に引き続き今日も快晴です。
お庭の楓の木が大きく揺れているのは、丸っと太ったスズメらが賑やかに枝をしならせているから。

数週間前に宿泊したばかりだというのにまた今回お世話になったのは、お世話になった方にどうしても主人とふたりお礼を言いたかったから。
心機一転の道を選んだ彼女に、主人が選んだ贈り物はカリフォルニアのワイン。





2017年の秋。
カリフォルニアの大規模な山火事でワイナリーをなくしたオーナーから主人にメールが届きました。
全焼してしまったワイナリーを片付ける為に、全焼は免れたワインを安く買ってくれないか、と。
当時は地下の物置が彼のワインで埋まるほどだったのですが、時は流れそのオーナーも心機一転。
なんと新しいワイナリーを逞しく再開し、貪欲に今もワイナリーを続けていらっしゃいます。

主人が彼女のはなむけに選んだワインは、そんな心機一転が詰まったカリフォルニアワイン。
何があっても大丈夫、そんな主人からのメッセージなのでしょう。
えっちらおっちら岐阜から主人の思いの詰まった重いワインをバッグにからげ、京都の人混みの中を縫うように俵屋さんまで到着した私を主人はきっと誇りに思うことでしょう。





ちなみにね、今回宿泊した楓の間のお庭にひろがる楓。
ちょうど今の時期、よく見ると赤い小さなツプツプ・・・これね、楓の花なのです。
そして楓の花言葉は 『美しい変化』 『大切な思い出』
今の彼女にぴったりな花言葉なのではないかしら。





さて。
本当ならば主人とふたりでお礼を言うはずだったのですが、訳あってお礼は私ひとりで。
そしてどんな時でもお腹はすきます。
俵屋さんの宿泊で夕食と睡眠が終わった今、何が楽しみかってそれは朝食でしかありません。

前回の宿泊では、ちょっと冒険して鯵とハタハタをお願い致しました。
そしてまたぐじに戻り、これはもう変わることはないでしょう。

前回、主人と母 3人で鷹の間に宿泊した際。

まだ少々緊張気味の母を和ませるかのように、主人がおじゃこの小さな器を手にとったかと思うと・・・
『僕、じゃこご飯にしますよ』
それを見た母、それはまぁ嬉しそうに自分もおじゃこを全部ご飯にのせてかっ込んでおりました。
その後よほどそれが美味しかったのか、母はおじゃこ3種を10セット購入致しておりました。

そんな主人の優しさを思い出して今朝は私も。





そんなおじゃこご飯をお口に頬張っていると、主人から画像つきのメッセージが。

同じ時刻、岐阜と京都、夫と妻の朝食内容がこうも違って良いのでしょうか。
もちろんこの画像を見て大笑いしたのは言うまでもありません。
そして豪華な食事の画像を送信したのも、これまた言うまでもないことでしょう。





大笑いしたところで、そろそろ俵屋さんひとり旅も終盤です。
ひとり俵屋、これお勧め。
俵屋さんの旅を締めくくるのは、いつもの 『いちにのぉさんっ』 のかけ声も可愛らしい入口での記念写真。






ひとり楓の間での宿泊。
初日、京都駅に着いた後より道に向かったのは、何年も前O奥さまとその大おくさまにお連れ頂いた呉服のゑり善さんでした。
前々から欲しいと思っておりましたレースの塵除けの生地を見たくて、ひとり緊張しながら店内へ。

物腰柔らかな若社長が見せて下さったのは、モミジのレース生地。
当初は初夏らしい色に染めて頂くつもりでおりましたが、結局はボルドーレッドの塵除けを作って頂く運びと相成りました。





思えば、O奥さまにご同行頂いた時も初めての夏着物が欲しくて、だったものね。
初めての塵除け、ゑり善さんはどう仕立てて下さるのかしら。
楓の間に宿泊してモミジの塵除け、そして大切なあの方の今にぴったりな楓の花言葉 『美しい変化』

塵除けのことは、主人にはしばらく内緒にするつもりでおりました。
事が落ち着いたら折を見て話そう、と。





ひとり旅の報告をする私に、主人が尋ねました。
『で、ゑり善に寄って何を買ったの?』
ストレート過ぎて秘密にすることなどとてもとても・・・





すると主人からも白状することがある、と。
京都土産の小さな鯖寿司、多過ぎて食べられずに捨てたのかしら、と思いきや。

『ちょうどその日の夕食がさぁ、メンチカツだったんだ。
どぅちゃん (私のことです) も見てないし、ソースたっぷりかけて食べたらさぁ、辛いんだよ。
ご飯食べるじゃん。
かろうじて1/4残したよ、ヤバかったよ、鯖寿司全部平らげたあとにさぁ・・・』





夏に行く俵屋さんはふたり一緒です。

posted by しんさん at 16:45 | Comment(0) | 京都 俵屋さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月08日

訳あってまた京都、訳あってひとり俵屋旅館 〜 楓の間

京都に行って参りました。
先週は熱海の名旅館 『蓬莱』 とその別館 ヴィラ・デル・ソルの大千秋楽を主人とふたり心にしかと焼き付けた (☆彡 ☆彡) ばかりですが、今度は京都です。

いえ、実は京都も3週間ほど前に行ったばかり ⇒ 2019年03月16日☆彡 ☆彡
ですが訳あってまた京都です。
高瀬川の桜が満開でした。

画像からこぼれてきそうなソメイヨシノ。
もちろん桜が満開のこの時期、京都はいつも以上の大賑わいです。





早々に人で賑わう繁華街を後にし、タクシーで向かったのは俵屋さん。
坪庭はもちろん桜の誂え。

吸い込まれそうな俵屋さんの桜。

正面から見て裏側、図書室の側から見る桜はまた力強くてつい長居してしまいます。
もぉ行こうよ、いつもはそう言って着物の袖を引っ張る主人が今日は隣におりませんのでつい長居。

そう、今回の京都は私ひとり。
訳あって京都再び、訳あってひとり俵屋さん、桜満開の京都一人旅ですよ。











今回のお部屋は楓の間。
先日の鷹の間とは打って変わったこじんまり可愛らしいお部屋です。

廊下を渡って新館へ。
エレベーターを降りてすぐ右の小さなお部屋。

もちろん主人と泊まる予定でおりましたが、訳あってひとりで頂くいつものわらび餅。
前回、母と主人3人で宿泊した後で主人が予約の電話をしてくれました。
偶然この日、このお部屋ならおとり出来るというお返事で即予約した次第です。

窓のお外にはもちろん楓。
この時期の楓を飽きることなく眺められるのも、この間ならではの贅沢です。

今回のこのひとり俵屋さんの旅、楓がとてもよい立役者となった旅でした。
そのお話はまた後ほど。

先ずはのびのびしげしげとお部屋を眺めましょう。
大きな雪見障子。
いつも朝、雪見障子を上げる際に粗相があってはとハラハラするのですがこの間の障子は滑らか。
見ると小さなストッパー、雪見障子のストッパーって初めて見ました。
これ良いなぁ、欲しい。

私、このお部屋気に入りましたよ。
お風呂もこじんまり、ですが見事な設計です。
風呂桶の一部が片側の壁側に食い込んだような形にはなっておりますが、それが反って効果的。
ひろいお風呂も良いけれど、深さがある俵屋さんのお風呂にひろさは必要ないのかも。

これ、お風呂から見た外の景色ですよ。
すだれ越しに見る湯船からの景色。
満開のソメイヨシノも良いけれど、お風呂から見る可憐な黄梅に見とれました。

いくら一人だからと言って2時間近く入っていてはいけませんけどね。










主人といつも行くように、浴衣姿で近所のバーにも行きました。
ひとりで頂くマンハッタン、つい主人の作るマンハッタンと比べてしまいます。
バーテンダーさんがひとりだと気を遣って下さるので、つい話し込んでしまいました。
そして夕食の時間に遅刻致しました。
ごめんなさいから始まるひとりの夕食です。

4月の先付は木の芽、筍と春満載。
稚鮎はほのかな木の芽焼き。
桜餅、と思いきや中にはお行儀良く並んだ塩気もふくよかな白魚。
この時期の小さな細いさよりを筆さよりと呼ぶのですって。

左手にちらりと見えるのは薯蕷蒸し。



向付けの桜の小さな蓋を開けると・・・

中にはホタルイカ。
むっちりとした鯛、むっちりねっちりのグジ、主人喜ぶだろうな。

フワフワの卵と木の芽で菜の花を演出した椀。

息を吞むほどフワフワの穴子、黒と白2色の胡麻の利休焼き。
エビのウニ焼き、香りが日本酒を誘います。
もちろんひとりでも飲みますよ。

筍の土佐煮。
鯛の子がふわふわでほろりと口の中でほどけます。
それでいて中までしっかりとお出汁を含んだお見事としか言いようのない温物。
わらびが俵にまとめてありました。

畑のそら豆、こんな風に色鮮やかに育ってくれないかしら。



焼物に添えてあったきゃらぶきが気に入って、お酒のお供に固守致しました。
ふくよかでご飯の要らないきゃらぶきです。
温物の器、背がまた素敵。

強肴は鱒。
丁寧にほぐした鱒が綺麗に束になっていました。

止椀とは言いつつ、お漬物で残りのお酒をちびちびちびちび。

前回鷹の間の黒豆事件に続き、今度は小豆事件。
黒川さんのぜんざい、これを食べるか否かでは人生が変わります。
餅麩黒川ぜんざい、恐るべし。

前回のようにどうやって煮るのかなんて愚問は口にしません。
どうせ何の参考にもなりゃしませんから。
どうせこう言うのでしょ、 『普通に煮れば良いのです』
美味し過ぎて憎らしい、黒川修功。

・・・なんて、ね。
甘いいちごの香りにも負けない本当に美味しいぜんざいでした。





いつもより少々早い6時半に夕食をお願いしたというのに、サヤさんがお布団を敷いて下さったのは11時も近いころ。
主人が隣に居なくても、私の食べる速度は変わりませんでした。

11時、いつもならばとうに夢の中。
ひとり京都、ひとり俵屋楓の間、ようやく就寝と参ります。





ひとりこだまでやって参りました桜満開の京都。
この後、明日は楓にじんと感銘を受けることにはまだ気づいておりません。
パジャマに着替え、肌に吸い付くような掛け布団にくるまれ眠りに就きます。
このパジャマ、主人とお揃いで買ったやつだわ。

posted by しんさん at 19:38 | Comment(0) | 京都 俵屋さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月03日

熱海 蓬莱別館 “ヴィラ・デル・ソル” の大千秋楽 〜 後編

嘉永二年、1849年から続いた熱海の名旅館蓬莱。
そしてその別館 VILLA DEL SOL(ヴィラ・デル・ソル)。

2012年からは星野リゾートに経営を任せつつ、先日4月1日で最後の宿泊客を見送りました。
平成から令和へと時代が変わる中、蓬莱とヴィラ・デル・ソル ふたつの歴史的お宿の大千秋楽に立ち会えた幸運を昨日に引き続き備忘録。





岐阜から新東名で約300キロ、鎌倉〜湘南〜とダイナミックな寄り道を経てようやく到着した熱海。
何かで知ったヴィラ・デル・ソルのハンカチに憧れ、そのメインレストランである南葵文庫にいつかお邪魔するのを夢見、そんな独身時代は今から20年近くも前のお話になるのですね。

主人が一気にその夢を叶えてくれ、新婚旅行で初めて宿泊したのがヴィラ・デル・ソルでした。
昨晩は変わらぬ金野シェフの懐かしい蛤のお料理を前に主人と思い出話・・・

という訳には参りません。
何と申しましても、今や星野グループが手掛ける蓬莱とヴィラ・デル・ソルですからね。
大千秋楽ともなるとイベント盛り沢山です。

ディナーを終えるとロビーに集合、バスで海辺へと移動します。
専用クルーズ船に乗り込み、海上から楽しむ平成最後の熱海大花火大会の始まりです。

綺麗です。
大迫力です。

・・・で、ですが兎に角強風、しかも風が冷たい、寒いにも程がある寒さ。










30分弱の打ち上げ時間とは言え、それはそれは豪華な花火大会でした。
クルーザーには数人の熱海芸妓さんもご乗船して華を添えます。
そしてまた皆でバスに乗り込み、次なるイベント熱海芸妓さんの宴の会場であります蓬莱へ。

出迎えて下さったのは蓬莱の女将、古谷青游さん。
熱海芸妓さんより星野社長より、ヴィラ・デル・ソルの河原日出子さん亡き今誰よりもお会いしたかった方です。





少々不躾なお願いにも快く応じて下さり、女将ご自身もそのほんの一瞬を楽しんでおられたかのように感じられました。
大千秋楽にあたり女将にお会い出来た。
ヴィラ・デル・ソルで宿泊した際は河原日出子さんにお会い出来、こうして大千秋楽を迎えた蓬莱では女将の古谷青游さん。
私はそれで十分幸せです。





もちろん至福のままという訳には参りません、何と申しましても大千秋楽の一大イベントですから。
大広間にワラワラと移動し、熱海と言えば梅、梅酒を楽しみながら熱海芸妓さんの宴が繰り広げられます。

甘酒のアイスクリームでクールダウンした後は、中庭で線香花火を楽しみました。

明日はもう灯されることがないのでしょうか、蓬莱の灯り。

早々とタクシーを呼んでヴィラ・デル・ソルへと戻ります。






ヴィラ・デル・ソルでも大千秋楽のイベントは続きます。
バーでは秘蔵のワインが振舞われました。

星野グループの秘蔵ワインはラング・ドックだそうです。

大千秋楽ということで、特別お風呂は深夜2時まで開いておりました。
が、普段9時に就寝する我々ですもの。
寝ましょう、もう寝ましょう。










普段4時に起床する私でも、この日だけは寝過ごしました。
はっと気づけばカーテンの外は白々、5時半、私にとっては大寝坊。
がバッと飛び起き、大千秋楽イベントのひとつ 日の出を鑑賞しようと青海テラスへと急ぎます。

朝の冷気、熱々の梅湯から湯気が立ち上ります。
我が家の白湯も梅湯にしようかしらん。






日の出を鑑賞するには最高のシチュエーションです。

早朝6時前、日の出の後はせっかくなので温泉へと向かいます。
昨晩は女湯だった青海テラス横の走り湯から更に上へと階段を上り、太平洋を見渡す露天風呂へ。

まだ日も上り切っていない早朝、贅沢な朝風呂です。











すっかり明るくなった頃、お風呂から上がってお部屋に戻ります。
これは女将の字体かしら・・・なんてのんびり山道をお散歩しながら。

道中、ヴィラ・デル・ソルが一望できます。

味わいある小路もなくなってしまうのかしら。











早朝の温泉を堪能した後は、もちろん朝食。
主婦にとって、旅の醍醐味って朝食だと思うのです。
ディナーは宿泊せずとも食べられますが、朝食は宿泊者のみの特権ですもの。
お風呂のお掃除も夕食の後片付けもせず、すっと朝食の支度がしてあるなんて。

新婚旅行の時はお部屋で頂いた朝食、今日は南葵文庫で。
お天気は快晴です。

オレンジジュースがこんなに絵になる南葵文庫。

決して華美な演出ではないのに絵になります。

小麦粉を使わない代わりに、しっかりと泡立てることでコクを出すサラサラのクラムチャウダー。
ミネストローネばりの具沢山です。

シンプルなスクランブルドエッグ、何故にこう美しいのかしら。

可愛らしいガラスの器にはヨーグルト。
底にはイチゴとルバーブのジャムが潜んでおります。
イチゴとルバーブ、そしてパッションフルーツの組み合わせ、これは真似したい。

食後に記念写真をとお願いしたら、テラスへと案内して下さいました。











朝食を終え、お部屋に戻ろうとしたらフロア係の方に呼び止められました。

蓬莱とヴィラ・デル・ソルの大千秋楽にあたり写真集を作成するとか。
一般に発行する予定はないが、写真は竹沢うるま氏、文は山口由美さんによる豪華な写真集。
昔のヴィラ・デル・ソルをご存じとのことで、インタビューをお願い出来ないでしょうか、と。

河原日出子さんのことをご存じでない若い方ばかりの星野リゾート。
星野さん、本当にこの素敵な洋館をあっさりリノベーションしてしまうのかしら。

エントランスドアのステンドグラス。

河原日出子さんもお座りだったデスク。

新婚旅行の時は緊張して通った門。
この文字を見た時は本当に感激しました。

当初は車で門をくぐらず、門の外にあるスペースに駐車したのよね。

ふふふ、我が家のカローラ君です。
トランクには畑作業用の泥だらけの長靴が無造作に放り込んでありますよ。
新婚旅行の時は主人のトゥインゴ君だったっけ、ゴールドのね、すぐ壊れるやつ。

ヴィラ・デル・ソルのロビーから晴天の太平洋、遠くには初島。

お名残惜しくはありますが、そろそろ本当にヴィラ・デル・ソルとお別れの時です。

蓬莱の女将とほんのちょっとですがお話が出来ました。
新婚旅行の時、遠くに女将を拝見した時はとてもとてもお声をかける勇気などありませんでした。

今回少々忙しくはありましたが、ディナーの時お隣に座っていらした素敵な老夫婦。
お互いにお互いを意識をしていたようで、こちらもご挨拶程度ではありましたがお話出来ました。
ちょうど写真集のインタビュー時でしたので、お帰りの際のご挨拶は出来ませんでしたが印象的なご夫婦でした。





最後の一枚はヴィラ・デル・ソルのエントランスで。
新婚旅行でももちろん撮って頂いた場所で、今回は金野シェフと。

あ、ごめん、主人。
この後、すぐに気づいてジャケットのボタンをしっかり留めたのに。
熱海の歴史的お宿、蓬莱とヴィラ・デル・ソルはこれで事実上の閉館です。










熱海からは沼津に向かい釜揚げしらすを調達。
その後三島に向かって昼食、大好きなウナギを完食します。
どんな時だってお腹は空きます、うん、これで良いのです。











帰宅後は沼津で買った黒はんぺんを肴に、日本酒片手の反省会。
蓬莱の建物の一部、松の古木を手作業で削り出して拵えたお箸をお土産に頂きました。
大事に使います。

そして箸の下にある黄色と白と黒の派手な色使いの冊子は、篠山紀信氏の写真集。
蓬莱の女将 古谷青游さんにおずおずと差し出したのはこの写真集でした。

何か一言頂きたい、そう思って持参したこの写真集。
女将に対して失礼ではないかしら、相当葛藤したのもこれ本当。

ですが女将はこれを見るなり目を細め、恥ずかしそうにでも嬉しそうに、そして懐かしそうにおっしゃいました。

『あらぁ、この方たちこんなものお持ちになって。
篠山紀信さんがいらっしゃった時にね、おぉあなた方面白いじゃないか、ここにちょっと立ちなさいなんてね、写真をお撮りになったのよ、私、写真は嫌いなのだけど』





女将のこのお言葉だけで私は胸もお腹もいっぱいです。
いまこうして思い出していてもじんわり、満開の桜をみるとじんわり、女将、素敵でした。





そして今、往復600キロの運転が応えたのでしょうか。
主人がヘルペスを発症して床に臥せっております。
可哀そうに、腫れた目が痛々しくて見ていられません。
早く回復して、そしてまた飲みながら二人のご婦人のお話をしましょ。
蓬莱とヴィラ・デル・ソル、ふたつの名宿の備忘録でした。

2019年04月02日

熱海 蓬莱別館 “ヴィラ・デル・ソル” の大千秋楽

新元号の発表に伴う賑わいも少々落ち着いた本日4月2日。
今朝の主食は、山盛りの釜揚げしらすご飯でした。

お醤油も大根おろしも、もちろん胡麻油もなし。
昨日沼津で調達して参りました釜揚げしらす、熱々炊き立てご飯の上に盛りっと盛って頬張ります。
大好きな釜揚げしらすを前に心寂しさを覚えるのは、熱海ヴィラ・デル・ソル事実上閉館のせい。





1894年創業の熱海の名旅館 “蓬莱” 。
その女将がひとめぼれして移築した日本初の西洋式図書館 “南葵(なんき)文庫” は、1987年に開業した蓬莱の別館 “VILLA DEL SOL (ヴィラ・デル・ソル)” のメインダイニングとしても人気がありました。
何を隠そう、私たちの新婚旅行先でもあります。

2009年には星野グループに引き継がれ、 “星野リゾート 界 熱海” として営業していらっしゃいましたが、2019年の3月31日の宿泊を最後に長い改装工事に取り掛かるとのこと。
歴史ある思い出深い建造物も多分見納めです。

そんな蓬莱とVILLA DEL SOL (ヴィラ・デル・ソル) 大千秋楽のお知らせを耳にし、主人がスイートルームを予約してくれました。
新婚旅行のVILLA DEL SOLは、こだまでスタンダードルームでしたのに、ね。





新婚旅行先でもある熱海 VILLA DEL SOL (ヴィラ・デル・ソル)の大千秋楽。
岐阜を出て新東名高速道路を使って往復600キロの一泊旅行、小旅行と言うにはあまりに盛り沢山なVILLA DEL SOL (ヴィラ・デル・ソル)の大千秋楽を備忘録。










旅の計画はいつも主人。
欲張りな彼ですから、そのままおとなしく熱海に直行などあり得ません。
先ずは目的地をすっ飛ばして神奈川県は鎌倉へ。

途中インターで休憩はしたものの、食事は極力控えての鎌倉入り。
先ずは腹ごしらえと飛び込みで入ったお蕎麦屋さん、生しらす蕎麦を迷わず選んでひと休み。
お蕎麦に生しらす、初めての組み合わせにびっくり、でもこれ美味しい。
さらりと鶴岡八幡宮をお散歩して車に乗り込みます。











鎌倉から湘南、常々思ってはおりましたが主人は意外とミーハーのようです。
湘南の海沿い134号線をドライブ。

車からは降りませんけどね。

噂に聞く鎌倉高校前も車の中から。
江ノ電ももちろん車の中から、主人の腕越しです。

随分な寄り道を致しましたが、目的地である熱海が近づいてきましたよ。











新婚旅行の宿泊に選んだ蓬莱の別館 “VILLA DEL SOL (ヴィラ・デル・ソル) ”
当時はランチだけも頂けましたので、折を見ては主人が連れていってくれました。

幸運なことに、新婚旅行で宿泊した際には日本人初のモデル故 河原日出子さんが優雅にエントランスで出迎えて下さいました。
その後お邪魔した時には、数日前にお辞めになったとかでがっかりしたことを憶えております。

イチゴのウエルカムドリンク。
河原日出子さん直々に読み方を教えて頂いた “南葵文庫 (なんきぶんこ) ” の額。






“VILLA DEL SOL (ヴィラ・デル・ソル) ” 最後の宿泊。
多分2部屋を合わせたのでしょう、ふたりで使うには十分過ぎるひろさのリビングとベッドルーム。

1階のお部屋なので海は正に目前。

・・・やっぱり寂しい。











と、寂しい寂しい言ってばかりもいられません。
前回宿泊した際は主人だけが行った温泉に今回はふたりで。
小さな急な階段をゼイゼイ言いながら上へと向かいます。

走り湯の湯上り処として設置されている “青海テラス” にてスパークリングワインのサービス。

可愛らしいイチゴ大福に梅のようかん、そしてチョコレート。

なによりこの青い海。

・・・と、いけないいけない。
夕食は5時から、あと1時間もありません。
さっと温泉に浸かって夕食の身支度を整えないと。
帰り道、上から見るヴィラ・デル・ソルが綺麗でした。











それっと向かったレストラン。

そうそう、いつもこのオリーブが楽しみだったのよね。
主人はこのオリーブが好き過ぎて、今3本のオリーブの木を畑の隅で育てています。

外の景色も暮れてきましたよ。

ブリのカルパッチョ。

鮑のリゾット。

懐かしい。

ブイヤベース。

イトヨリとぐじ。

デザートのミルフィーユも頂いて記念写真。

結婚記念日・・・ではないのですけどね。
我が家はいつも結婚記念日みたいなものですからまぁ良いや。

いつもならここからはコーヒーでゆっくりするところですが、今日はまだまだ予定が詰まっております。
感傷的にならずに済むので願ったり叶ったりといったところでしょう。





ですがベランダのシーツが乾いたようなので今日の備忘録はここまで。
旅の翌日は大忙しですからね。